重い腰を上げる

昨日と今日は取材や急ぎの仕事もなく、家で落ち着いて過ごせる。長年の懸案を解決すべく、ついに重い腰を上げる。

懸案とは、ラダックのブログのリニューアル作業。過去の見た目のレイアウト変更とは違って、今回のはもっと根本的に、Movable TypeからWordPressへ、システム自体の移行を目指す。原理的には一応可能で、Movable Typeからエクスポートした記事内容やコメントのデータをWordPressにインポートすればいいのだが、そのままだと各記事のパーマリンクや写真画像などへのリンクの引き継ぎがうまくいかない。なので、エクスポートしたデータに手入力で修正を加えていく必要がある。

この作業が、もうほんとに、果てしない。記事の数は400件近くあるし、1件の記事に10枚以上の写真が貼り込まれている場合も結構ある。それらを一つひとつ確認しながら、ちまちまと‥‥。始めなきゃよかった、と後悔しきり。

まあでも、今回のWordPressへの移行がうまくいけば、スマホやタブレットからでもブログを読みやすくなるし、ブログ自体の寿命も伸ばせる。Movable Typeだともう限界なのは事実だし。やるしかないか、ちまちまと。

場を盛り上げる

昨日の午後は、狭山方面で取材。三鷹からは電車を三回くらい乗り継いでいくので、地味に時間がかかった。

現場で合流した依頼元の担当営業さんは、取材があるたびに編集部に僕を指名して使ってくれている方だ(ありがたい)。先月僕が担当した取材で、相手の方が後で「ライターさんのノリがよくて、取材がすごく盛り上がったので楽しかったです」と話していたと教えてくれて、何だかうれしかった。

取材で場を盛り上げるのがライターの役目ではないし、そもそも盛り上げようと狙って質問を選んでいるわけでもない。それでも、自然な流れで場が盛り上がって、相手とうまく打ち解けられれば、結果的にいい原稿を書きやすくなるのは確かだ。

僕自身は、取材の際に特殊なテクは何も使ってない。相手の話をしっかり聞いて、いいなあ、すごいなあ、と思ったことに素直に反応しているだけだ。逆に、場の流れがぎこちないからといって、心にもないヨイショは絶対にしない。そういう嘘は相手にも必ずバレてしまうものだし、そもそもそんなことはしようと思ってもできないたちだし。

場が盛り上がる「うまい」取材をしようとするのではなく、やるべき準備をきっちりして、手抜かりのない「いい」取材を心がけるのが先決だと思う。

晴れていれば

昨日はとてもいい天気だったので、都心にお出かけ。

最初は品川のキヤノンギャラリーのインド写真展に行こうとしたのだが、日曜祝日は休館なのを完全に見落としていた。迂闊(苦笑)。じゃあ恵比寿の写美にしよう、と電車で引き返してみると、開催中のキャパ展の会場は芋を洗うような混雑ぶりで、とても写真をゆっくり見られるような状態ではなかった。会場内でiPhoneで写真撮ってる、信じられないおばはんがいたり。やれやれ。

そんなわけで昨日は写真に関する運にはまったく恵まれてなかったのだが、それでもすっかりいい気分になれたのは、天気が本当によかったからだと思う。抜けるように青い空、降り注ぐ日射し、吹き抜けていく風。人が作り出したどんなものよりもぜいたくな、自然からのいただきもの。フーディニジャケットを脱いで、五分袖のTシャツ一枚で街を歩くのが気持よかった。晴れていれば、それが一番の愉しみ。

もうしばらくしたら、じわじわと暑くなってくるのかな。

スクワット再び

二週間ほど前から、風呂上がりにスクワットをするのを再開した。何しろ、あまりにも身体がなまっていたので。

スクワットは、いつでも気楽にできる割に、ちゃんとしたやり方でやると、エクササイズとして非常に効果がある。人間の身体の筋肉の3分の2は脚についているのだが、スクワットはそれらの筋肉を適度な負荷でまんべんなく動かすことができるからだ。

ただし、「ちゃんとしたやり方で」というのがポイントで、テキトーな姿勢でせっかちにやったりすると、効果がないどころか、膝とかを痛める危険性もある。背筋を伸ばし、腕や上半身の反動を使わないようにして、ゆっくり、じわじわと身体を上下させるといい。

今回、最初は30回程度でも後で軽い筋肉痛が出ていたが、今は50回でもまったく余裕。ちゃんとやれば、短期間でもしっかり効果が出る。もうちょっと続けて、近郊の山歩きに行ってもへばらないようにしておこう。

街灯

昼、取材のため出かける。今日の現場は湘南台。取材自体はいつものように粛々と遂行したが、とにかく、行きと帰りに時間がかかる。CDアルバムを悠々二回し以上聴けてしまうほどで、下北沢で乗り換えた井の頭線で吉祥寺に着く頃には、iPhoneのバッテリーも半分以下になってしまっていた。

駅前でラーメンを食べ、中道通りを歩いて、家に向かう。取材先はずっといい天気だったが、都心は午後にかなり激しいにわか雨が降ったらしい。そのせいか、空気はひんやりとして、雨と風に洗い流された西の空は、綺麗に澄み渡っていた。

空に見とれながら歩いていると、ぽつぽつと立ち並んでいる街灯が目に入った。電球の上にちょっと洒落た形の釣鐘型のシェードがかぶさっていて、白い光がうるんだように透けて見えている。この道は数え切れないくらい往復してきたのに、昼間はもちろん、夜道でも、ここの街灯がこんな形をしていたなんて気付かなかった。その街灯の明かりは、暮色の空にとてもよく似合っていた。

日々の中で、こんな風に気付かないまま行き過ぎてしまっているものって、きっとたくさんあるんだろうな。