焼きキムチ

ここ最近、あまりにも仕事が立て込んでいて、まともな自炊をする余裕がなかった。だから冷蔵庫内の食材もそれなりにコントロールしてたのだが、ここに来て、数週間前に買ったキムチが中途半端な量で残ってるのを発見してしまった。

夜にビールを飲む時のつまみにしようかとも思ったが、時間が経ってて賞味期限ぎりぎりだし、結構すっぱくなってるんじゃないかなあ……ん? だったら焼けばいいんじゃね? サムギョプサルとか豚キムチとかの時、キムチを焼いて食べたら結構うまいし。

鍋に少しゴマ油(これがポイント)を入れて熱し、余ってたキムチを投入し、中火で3分ほど炒める。たったそれだけなんだけど、食ってみたら、やたらうまい。ビールのお伴には最強だ。やばいものを発見してしまった。

今日もそんな一日だったけど、みなさん、メリークリスマス(笑)。

「書く」ということ

部屋で仕事。来年出す予定の本に収録するための原稿を書く。

しばらく前から準備していたこの原稿は、今年取り組んだ中でも、自分にとって一番大切な文章だ。今年だけじゃなく、ここ数年の間でも一番大切かもしれない。どんな文章にするかというイメージは、ずっと前から自分の中で思い描いていて、かなり具体的な形になっていた。でも、なかなか書きはじめられないでいた。少し怖かったのかもしれない。慎重に言葉を選び、自分の気持ちに重ね合わせ、これか、いや違う、と逡巡をくりかえしていた。

でも今日、その文章……たった3000文字ちょっとの長さだけれど、それを最後まで書き終えることができた。書いている間、自分でもびっくりするほどの集中力で、ありったけの気持ちを注ぎ込み、一文字ごとにもがきながら、必死になってキーボードを叩いていた。自分の中に魂みたいなものがあるとしたら、今日一日で、ごっそり削れてしまっただろうと思う。

そうしたら、本当に最後の数行の部分で、自分でも思っていなかったような言葉……たった六文字の言葉が、すっと浮かんできたのだ。その六文字が入ることで、すべてがぴったりと重なり合う。これで書ける、とようやく確信することができた。最後の一行まで書き終え、最初から読み直した時、バカみたいだけれど、ちょっと涙が出そうになった。

「書く」というのは、たぶん、こういうことなのだ。だから僕は、この仕事を続けているのだと思う。

ムーディーな浴室

朝起きて、シャワーを浴びようとして浴室の電気をつけたら、妙に暗いことに気づいた。電球が一個、切れてしまったらしい。

今の部屋に住むようになって7年くらい(もうそんなに!)経つが、浴室にある3つの電球のうち、天井の1つは数年前に切れた。で、今朝切れたのは壁面に2つあるうちの1つ。残りは壁面の1つだけ。どうしようかなと思ったが、天井も壁面も、交換するのは部屋の他の場所と違ってだいぶ面倒臭そうだし、浴室なんて1灯あれば十分、電気代も節約できるし、という気もしてきたので、しばらくこのまま放っておくことにした。

というわけで、今のうちの部屋の浴室は、結構ムーディーなことになっている。だいぶビンボーくさいムーディーさだけど。

しあわせな時間

昨日は昼の間に、写真展を3カ所ハシゴ。かくたみほさん、角田明子さん、そして吉田亮人さん。三者三様、見応えがあって、楽しかったし、勉強にもなった。

そして夕方からは、最近恒例になりつつある、綱島ポイントウェザーでの持ち寄り忘年会へ。今年の盛り上がりは過去最高だったのではないかと思う。関健作さんはブータンのエマダツィ(唐辛子のチーズ煮込み)を作ってきてくれたし、角田明子さんは娘さんとその場で餃子を包んで、カセットコンロとフライパンで次から次へと焼いてくれた。他の方々が持ってきてくれた料理やお酒も大充実。本当にごちそうさまでした。

誰もが知ってる写真家の方から、亀時間に泊まってたというアメリカ人男性まで(笑)、ものすごく幅広い顔ぶれが集まったのだが、お互い初対面という方も少なくなかったのに、びっくりするくらいみなさん和気あいあいと楽しそうで、とてもしあわせな時間だったなと思う。よかった。楽しかった。またやりたい(笑)。

あぶく

窓の外は、冷たい風が吹き荒れている。

終日、部屋で仕事。制作中の本のゲラチェック。土日は電話やメールで邪魔が入らないので作業に集中できる……と考えてる段階で、何か間違ってるような気がしないでもない(苦笑)。

コーヒーとショートブレッドで休憩し、再び作業に没頭。晩飯はパスタを茹でてさっさとすませる。パスタパンを洗っている時、洗剤をつけたスポンジから、ぽぽっ、と泡が立ち、いくつかの小さなあぶくが宙に浮いた。すぐに消えるかと思ったあぶくたちは、意外としぶとく、ぷわぷわと流し台の上を漂い続けた。

僕も、このあぶくみたいなものだな。どのみちすぐ消えてしまうのだろうが、なるべくしぶとく、あがいてみよう。