Filmarksのリバイバル企画で、「ライフ・イズ・ビューティフル」が期間限定で上映されると知り、観に行くことにした。ずっと以前、レンタルで観たことはあったのだけれど、スクリーンで見届けておきたい、と思って。新ピカに足を運んでみたら、小さめのスクリーンとはいえ、場内ほぼ満席。しかも思いのほか、若い人が多い。何だか少し嬉しくなった。監督と主演は、ロベルト・ベニーニ。
物語の前半は、陽気なお調子者のユダヤ系イタリア人グイドと、裕福な家庭に生まれた小学校教師ドーラとのなれそめが描かれる。そこから何年かが過ぎた後半は、第二次世界大戦末期にグイドたちが巻き込まれた、過酷な運命が描かれていく。前半では、グイドのお調子者っぷりがとにかくすごくて、主人公がずっとこの調子でぶっ飛ばしてて大丈夫?と思うほどなのだが、物語が暗く凄惨な舞台に移る後半では、そうしたグイドの変わらぬお調子者っぷりこそが、息子のジョズエを励まし、救っていくことになる。最後の最後までお調子者を貫き通したグイドの姿は、以前観た時も、今回も、深く深く胸に残った。
同時に思う。当時のホロコーストであれだけ凄惨な目に遭わされたユダヤ系の人々の子孫の一部が、八十年の時を経て、ガザで何万人ものパレスチナ人を殺戮し続けているのは、なぜなのだろう。僕には、どうしても理解できない。人間の業とは、かくも深きものなのだろうか。