Category: Diary

シベリアの甘さ

午前中、出版社から書類が届く。3月に出す新しい本の初校ゲラ一式。これからしばらく、この本の編集作業にかかりっきりになるだろう。よりによって確定申告の時期ともろかぶりなのが、非常に頭の痛いところだが。

午後、近所のスーパーへ。数日前に積もった雪が、街のあちこちで凍りついたまま残っている。旅でしばらく留守にしていたので、家にはおかずになりそうなものが何もない。月曜には実家から野菜が届くので、とりあえず晩飯にするための惣菜を買う。あとは、これからデスクワークで疲れるであろう脳に糖分を補給できそうなものを……と物色していて、ふと見つけたのが、シベリア。羊羹をカステラで挟んだ、あの懐かしいお菓子だ。

一時期はすっかり絶滅したかと思われていたこのシベリア、何年か前にジブリの映画に登場したことで息を吹き返して、今もひっそり流通しているらしい。買って帰って、仕事の休憩時間にホットミルクと一緒にいただくと、何とも言えない、朴訥な甘さ。たまにはこういうのもいいなあ、と思った。

気温乱高下

ラオスでの約2週間の滞在を終え、今朝、東京に戻ってきた。

今回のラオスへの旅、まず想定外だったのは、現地の気温だった。東南アジアの南国に行くつもりで服装や着替えを準備しておいたのに、ルアンパバーンに着いてみたら曇りがちの寒空で、気温は最高でも15℃くらい。朝晩は10℃前後まで冷え込んだ。日本を出る時に着ていたノースフェイスの中綿入りジャケットがそのまま大活躍。ルアンパバーンからムアン・シンに北上すると、山岳地帯ということもあって冷え込みはさらに続いた。

ところが、ムアン・シンから再びルアンパバーンまで南下してくると、最高気温は30℃越え。1週間前とはうってかわって、Tシャツ短パンサンダルで過ごせるほどになった。以降、バンビエン、ヴィエンチャンでも、からっとはしているものの、暑い日々。さらに帰国便に乗り継ぐためにバンコクまで飛ぶと、冬だというのにうんざりするような蒸し暑さが待っていた。

で、今日。東京の最低気温は、マイナス4℃だという。……気温差35℃くらい? たった2週間の間で、乱高下にもほどがある(苦笑)。とりあえず、うっかり風邪とかひかないように、用心しなければ……。

深夜発の便で

今日からまた、2週間ほど、旅に出る。行き先はラオス。深夜に羽田を発つ飛行機でバンコクまで飛び、そこからエアアジアでラオス北部の古都ルアンパバーンへ。その先は、うっすら考えてはいるのだが、実はほぼノープラン(笑)。最初のルアンパバーンの宿以外、現地では何の予約も入れてなくて、最後に首都ヴィエンチャンからバンコク経由で帰国する便しか取っていない。まあ、それが本来の自分の旅のやり方なのだが。

深夜発の便で日本を離れるのはたぶん初めてのはずなのだが、意外といいかも、と思う。早起きしなくていいから寝坊のプレッシャーはほぼないし、昼のうちに最後の洗濯と乾燥もできるし、家を留守にする準備も余裕を持ってできる。成田からデリー行きのエアインディアに乗る時とか、朝の4時には起きなきゃならないから、本当にしんどいのだ。まあ、機内で一晩寝て過ごして、翌朝から現地でフル稼働するというのも、それはそれできついかもしれないけど。

ともあれ、道中油断しないように、いってきます。帰国は1月25日(木)の予定です。

インド映画三昧

土曜日は午前中から渋谷へ。ユーロライブで開催されるインド映画祭「IFFJ Best」を観に行った。

今回観たのは、「ハッピーただいま逃走中」と「キ&カ 彼女と彼」。「ハッピーただいま逃走中」は、意に添わぬ結婚式から逃げ出した主人公ハッピーが、間違ってアムリトサルから国境を越えてパキスタンに行ってしまうというドタバタラブコメディ。個人的には、ダーヤナー・ペーンティー演じるハッピーの存在感が、中盤以降やや希薄になってしまったのがちょっと残念で、もう少しハッピーという女性の人間的な魅力を分厚く描いてほしかった。もう一人のヒロイン、ゾヤは思いのほか魅力的に描かれていただけに、惜しいなあと。

「キ&カ 彼女と彼」は、面白かった! 巨大企業の御曹司ながら仕事や名声にまるで興味を持たず、尊敬していた亡き母親のように家庭を守る主夫になりたいと願うカビールと、女手一つで自分を育ててくれた母親のように、仕事でステップアップすることを人生の目標にするキャリアウーマンのキア。利害の一致した二人は結婚するのだが……という物語。1カ所だけ「ん?」とひっかかる場面があったけど、アルジュン・カプールとカリーナ・カプールの軽妙な掛け合いは観ていて楽しいし、今の社会における男と女の価値観について考えさせられる部分も多かった。

この2本の上映の合間はかなり時間が空いていたので、渋谷から綱島まで移動して、ポイントウェザーでゴアフィッシュカレーを食べてきた。何から何まで、インド三昧。楽しい休日だった。

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ソローの「森の生活」読了。19世紀という時代にこういう生き方を選んで、それを本に書くような人だからある意味当然なのかもしれないが、ソローは根本的にちょっと性格が悪いというか、偏屈な人だったんだなあという印象。もし、今の時代に彼が生きていて、出会ったとしても、絶対気が合わなさそう。僕自身も偏屈なだけに(苦笑)。

冬の尾根道を歩く

ひさしぶりに、陣馬山から高尾山までの尾根道を歩いてきた。前に歩いたのは去年の2月だから、ほぼ一年ぶりか。まだ正月3日目なので混んでるかも、と思っていたが、陣馬山方面はそれほどでもなく、快適に歩くことができた。高尾山界隈は案の定、人、人、人で、高尾山口まで歩き終えるとすぐに退散したのだが。

今日は気持のいい青空が広がっていて、富士山の姿も、道中ずっとよく見えていた。昼頃から急に風が強くなったものの、アウターシェルのおかげで全然平気だった。ただ、途中ですれ違った登山者の中には、明らかに薄着すぎる人たちも結構いた。体力のあるトレイルランナーならともかく、あんな不十分な装備だと低体温症になってしまうのでは……。実際、動けなくなったのか、救助隊に保護されている登山者も見かけたし。

今回はジェットボイルは持って行かず、手持ちの魔法瓶を2本、一方にほうじ茶、もう一方にお湯を入れたものを用意した。食事はモンベルのガーリックリゾッタと、即席の具だくさん味噌汁。魔法瓶のお湯を注いで、すぐに食べてしまおうという算段だ。リゾッタは3分でできるので、待ち時間が短くて助かる。おかげで風が吹きすさぶ中、寒い思いをして待たされずにすんだ。間食はドライパイナップルとチョコレート羊羹。

今日は割とスローペースで、陣馬高原下バス停から歩きはじめて、高尾山口まで、だいたい5時間半。昼食などの休憩時間を差し引いた歩行時間は、4時間50分くらいだった。膝回りをはじめとする体調も特に問題なし。この調子で、じわじわと体力面のベースアップをしていければと思う。