Category: Diary

ハエトリグモ

昨日今日と家で原稿書きに追われているのだが、部屋にずっと籠っていても、「あ、そろそろ春だな」と感じさせる気配は、そこかしこにある。浴室でシャワーを浴びた後、鏡の曇りが消えるのが前より遅くなったり。コーヒーミルの粉受けに静電気で貼りつく粉の量が少なくなったり。買い置きのニンニクから青々とした芽が伸びる寸前まで育っていたり。

あとは、ハエトリグモか。冬の間はまったく見かけなかったけど、ここ数日、部屋の白い壁に、ぽつんとその姿を見せるようになった。昨日の夜は、たぶん天井からMacのパームレストまで、いきなりぽとりと落下してきたし。

ほかの場所ではどうだか知らないが、少なくとも僕の部屋にハエトリグモが現れる時は、常に一匹だ。窓のサッシの隙間かどこかから入ってきたのだろうか。それとも、冬の間も部屋のどこかでじっと息を潜めていたのだろうか。そもそも彼あるいは彼女は、去年見かけたのとは別の誰かなのだろうか。それとも、もしかして、去年と同じ彼あるいは彼女なのだろうか。

ハエトリグモについての妄想は尽きない。

自分で蒔いた種

ここしばらく、本当に忙しい。毎年この時期が繁忙期の大学案件の取材は、今週だけで6件。来週は今のところ2件だが、再来週は一気に11件もやる可能性がある(汗)。書いても書いても終わらない、賽の河原状態。

Web連載の原稿も4月以降の分を書き進めなければならないし、ラオスの写真記事を雑誌に寄稿することになったのでその原稿もある。日曜の夜はタイ写真展の設営。木曜の朝はジュンク堂でのラダック写真展の設営。来週土曜はモンベル渋谷店でのトークイベント。5月下旬と6月にもそれぞれ別のトークイベントをやることになったので、それらの企画書の準備も。いやはや、まじでやばい。

でも、これも半分くらいは、自分で蒔いた種だ。こう書いてふと思ったのだが、「自分で蒔いた種」という言葉の感じそのものは、そんなに悪くはないな、と。自分自身で土を耕して蒔いた種が、春になって芽吹く。うん、悪くない。

とりあえず、うっかり限界を超えてしまわないように、気をつけます。

熟読注意

先週の長野に引き続き、昨日は栃木の小山まで日帰りで取材。長野より近いといえば近いが、電車の乗り継ぎ待ちや現地でのバスの移動時間とかを含めると、三鷹から余裕で片道2時間以上かかる。何だかんだで、やっぱり遠い。

湘南新宿ラインに乗り続ける時間が有り余るほどあったので、行きと帰りは、いま読みかけの「本屋、はじめました 新刊書店Title開業の記録」を熟読。するする読みやすいし、何より時々伺わせてもらっているお店の話なので、とても面白い。これからしばらくは取材で出歩く日が多くなるし、こんな感じで移動時間を無駄なく読書に充てていこうかな、と思う。

とはいえ、特に仕事でどこかに向かう時には、電車の中であまり本を熟読しすぎないようにしなければ……。学生の頃、電車でちょっと長い距離を移動中に、本に没頭しすぎて、30分くらい派手に乗り過ごしてしまった前科が(苦笑)。電車の中では、熟読注意。

進化と退化

MacとiPhoneで使っていたTwitterアプリを、Twitter純正のものから「Tweetbot for Twitter」に変えた。Mac OS版のTwitter純正アプリのサポートが終了してしまったというのが理由の一つ。複数のアカウントを管理しているので、ブラウザなんぞでいちいち見てられないし。

Tweetbotはアプリとしては少々値が張る(1200円と600円)が、動作はチャキチャキと小気味いいし、機能的にも特に欠点らしき点はない。iCloudを介して異なるデバイス間でも未読管理などのデータを同期できるのも便利。もっと早く導入しておけばよかったと、ちと後悔。

で、あらためて感じたのは、TweetbotのようなシンプルなツールでTwitterを使うと、こんなにも快適なのか、ということ。特に最近のTwitter純正iPhoneアプリは、余計な機能を次から次へと突っ込まれて、カオスとしか言いようのないツールになってしまっていたから。「最近のハイライト」などによる時系列表示の混乱、他人が「いいね」したツイートをなぜか第三者のタイムラインに表示、トドメはこの上なく下世話な広告の大量投下。

開発側は、ユーザーをつなぎ止めるためにあれこれと新機能をひねり出しては継ぎ足しているのだろうが、先々のビジョンの見えない機能追加は、ツール本来のコンセプトとよさを損ねる結果にしかならない。進化させようとしたつもりが、実は退化にしかならなかった、みたいな。これは、世の中にある他のいろんな物事にも当てはまるような気がする。

遠出を終えて

一昨日と昨日は、1泊2日で長野に出張。上田市と長野市で、取材を計3件こなしてきた。

2日間ともいい天気だったのだが、まあ、明らかに寒かった(苦笑)。朝夕の気温は氷点下前後で、冷たい風がぴりぴりと頰を刺した。それでも地元の人たちは思いのほか薄着で、ちょっとびっくりした。ひよわな東京暮らしの僕とは、普段からの鍛えられ方が違うのかもしれない。

今回は、地元のうまい食事に首尾よくありつくことができた。初日の夜は戸隠そばの店で天ざるを食べて、2日目の昼はソースカツ丼。長野駅のすぐ近くに取った宿の朝ごはんもおいしかった。駅ビルのおみやげ屋の品揃えも充実していたし。

来年あたり、また依頼があったら取材に来るのも悪くないかもなー、とのん気に思っていたところ、この春のうちにまた取材で長野に行かされるかも、という情報が。まじっすか。さすがにそれは、しんどいなあ……(苦笑)。