Category: Diary

任務完了

昼から銀座へ。松尾純さんの写真展「クゼゥゲ・クシュ」が開催されている銀座ニコンサロンへ。この日行われるギャラリートークの司会という大役を松尾さんからご指名いただいたので。

松尾さんは理路整然とわかりやすく話せるトーク力をお持ちの方だとわかってはいたものの、ギャラリー内がほぼぎっしりと埋まるほど大勢のお客さんの前で司会を務めるのは、やっぱり緊張した。写真展自体にとっても大事な位置付けのギャラリートークだったから、なおさら。話の引き出し漏れのないように気を配りつつ、時計の針も時々見ながら進めていった。大きなミスもなく、まずまずうまく任務を果たせたのでは、と思う。

自分のイベントの終わった後と同じかそれ以上に、ほっとした。写真展は6月26日(火)まで。まだの方は、ぜひ。

仮の寝床

引っ越し先の部屋のスペースの都合で、ベッドを買い替えることにした。同じ無印良品の脚付きマットレスの、一番小さなサイズに。

無印良品では、ベッドを買い替えると配送時に古いベッドを引き取ってくれるという、ありがたいサービスがある。僕もそれを利用することにしたのだが、同じ部屋への配送でないと適用されない。なので、引っ越しの前に、今住んでいる三鷹の部屋に届けてもらうことにした。

新しいベッドの梱包を解いてしまうと、引っ越す時にまた自分で梱包し直さなければならないので、手配の時に「梱包は解かなくていいです」と頼んでおいた。で、今、寝室には、ダンボールに包まれたまま脚もついていないマットレスが転がっている。僕はその上に適当に毛布をかけ、枕を置き、掛布団をかけて、仮の寝床とすることにした。

仮の寝床、寝心地は多少硬いが(笑)、寝られないほどではない。海外の安宿によくある、妙に硬いベッドみたいな感じ。あるいは長距離列車の二等寝台か、寝台バスみたいな。ある意味、慣れてるというか、予想の範囲内(笑)。

あと十日ほど、仮の寝床での暮らしは続く。

新しい名刺

引っ越しを機に、名刺を新しく作り直すことにした。

ここ数年使っていた名刺は、吉祥寺の印刷業者でテンプレートに合わせて作った、お手軽名刺。デザイン的には正直微妙だったし、英文併記にもしてなかったから、国外で使えないのも難点だった。作り直すのが面倒だったのと、引っ越しのタイミングがつかめなかったのとで先送りにしてきたのだが、ついに、ようやく、といった次第。

昔はイキがって活版印刷の名刺を作ったこともあったが、コストが半端ないのと、増刷のたびに活字を組んでもらわなければならないので、今回はデータで。自分でデータを作るという選択肢も考えたが、こういうアイテムこそきちんとプロにデザインしてもらった方がいいと思い直し、ラダックの本などでいつもお世話になっているデザイナーの井口さんにお願いすることにした。

井口さんが提案してくれたデザイン案は、とてもシンプルで清々しく、一目見て気に入った。表に和文、裏に英文。タテ位置、横書き、中央揃え。上半分に名前と肩書き、下半分に住所と電話番号、メールアドレスなど。字間はやや空き気味にゆったりと。中央に一本の横線が入っている。紙はアラベールスノーホワイトの200kgをチョイス。印刷通販で注文したら、6日ほどで届いた。

仕上がりは、申し分なし。何だか、自分が急に辣腕ライターになったような錯覚に陥った(笑)。この名刺に恥じぬよう、きりきり働かねば。

蜘蛛の引っ越し

うちの浴室兼トイレの床の隅で、一匹の蜘蛛が巣を張っているのを見つけた。体長1、2センチくらいの蜘蛛で、狭い範囲にみっしりと糸を張り巡らせていた。たぶん、換気窓の外の植え込みから中に入ってきたのだろう。

僕は鷹揚というかズボラというかテキトーな人間なので、その蜘蛛の棲家を見つけた後も、ずっとほったらかしにしていた。あんな低い場所に巣を張って、餌になる虫が引っかかるのだろうか。あと半月もしたら僕はここから引っ越して、その後は清掃業者がどこもかしこも掃除しまくるというのに。

で、一昨日、浴室に入ると、床の上に、ぽつんと蜘蛛がいた。いっこうに餌のかからない自分の巣に愛想が尽きて、新天地を求めてさまよい出たのだろうか。でもこのままだと、彼は排水口に流されて溺れてしまう。

僕は換気窓のハンドルを回し、ひょいと彼をつまんで、外の植え込みに投げてやった。引っ越しだな、彼も。

当たり前の日々

今朝、大阪方面で、かなり大きな地震。死傷者が出て、ライフラインや交通機関にも障害が生じているという。つい二週間ほど前に訪れていた土地だから、まったく他人事とは思えない。関西には友人も大勢いるし。

こういう自然災害の報せを聞くと、ばしゃっと冷や水を浴びせられたような気持になる。普段、当たり前のように感じている日々は、実は当たり前でも何でもなくて、多くの人々の努力とそれなりの幸運によって支えられているということ。運命がほんのちょっと気まぐれを起こせば、たやすく崩れてしまうバランスの上に成り立っているということ。

忘れてはいけないな、と思う。当たり前の日々は、けっして当たり前ではないと。

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ル・グウィン「闇の左手」読了。ものすごい本。打ちのめされた、と思えるほどの読後感。僕の生まれた年に書かれた作品だが、今読んでもまったく古さを感じないどころか、今の時代にこそ読まれるべき着眼点を備えていることに驚く。ル・グウィンの作品はまだ「西のはての年代記」シリーズしか読んでいないのだが、これからいろいろ手に取ってみようと思う。