Category: Diary

iPhoneを忘れる

午前中のうちに仕事がかなりはかどったので、昼に少し外出。用事を片付けるため、吉祥寺に行く。三鷹で住んでいた部屋は駅から徒歩15分の場所だったが、今の西荻窪の部屋は駅から歩いて5分もかからない。運動不足を補うべく、今日は吉祥寺まで歩いて行くことにした。

歩きはじめて10分ほど経って、新着メールをチェックしておこうと思ってショルダーバッグの中を探ると、iPhoneがない。折り畳み傘やエコバッグ、スーパーでの買い出しのメモ、読みさしの文庫本は入れておいたのに、iPhoneだけうっかり忘れてきたらしい。一瞬、家まで取りに戻ろうかと考えたが、いや、今日は仕事関係で切羽詰まった連絡が来る可能性は低いし、と思い直し、そのまま歩き続けた。

iPhoneを持たずに外を歩いていると、普段の自分の行動が、いつのまにか、思っていた以上にiPhoneに依存する形になっていることに気付く。空模様が微妙なら天気予報アプリやアメッシュを見るし、道順に迷ったらGoogle Mapを見る。信号待ちとかのほんのわずかな時間でも、新着メールをチェックしたり、FacebookやTwitterをちまちまと辿ったり、何歩歩いたかを万歩計アプリで見たりする。でも今日は、どれも見られない。うっすら不安にはなりつつも、その分、てくてく歩きながら、ゆっくりいろんな考えごとをすることができた。

テクノロジーを活用するのはけっして悪いことではないけれど、日々の暮らしのほんのちょっとした隙間までデジタルのかけらで埋め尽くしてしまうのは、何だかとてもせわしないことのようにも思える。たまには忘れてみるか、iPhoneを。

写真展の設営

昨日は夕方から綱島ポイントウェザーへ。11月20日(火)から始まる写真展「Thailand 6:30 P.M.」の設営に行った。

今年の春に三鷹で開催した展示から、写真をさらに10枚ほど増やして再構成。当初はパネルを壁に細い釘を打って固定しようと思っていたのだが、釘打ち音をさせるとお店の2階の住人から苦情が来るらしく(苦笑)、ネジフック(ヨートとヒートン)でパネルを壁に吊るすことにした。

枚数が枚数なので、事前にFacebookで、近隣の知り合いで設営を手伝っていただけそうな方を募集したのだが、なんと、4人もの方々にお越しいただけることになった。しかも、大先輩の庄司康治さんや、松尾純さんのお兄様の松尾洋さん、以前ヌブラ取材の際にお世話になった岩井さんご夫妻と、こちらが申し訳なくなるような方々が。みなさん、設営作業をものすごくテキパキと進めてくださって、僕が周囲でアワアワしてるうちに、2時間もかからずに設営完了。終電間際までかかると思っていたので、本当に助かった。

重ね重ね、ありがとうございました。そんなこんなで写真展「Thailand 6:30 P.M.」、いよいよ始まります。12月2日(日)まで。

与えられた時間の中で

昼、用事があって、恵比寿へ。モックネックのTシャツにコーデュロイのジャケットを羽織って外に出たら、思いの外、肌寒い。冬の気配が忍び寄ってきている。

用事をすませ、ヴェルデでコーヒーを飲みつつ少し本を読んでから、銀座へ。ソニーイメージングギャラリーで15日まで開催されている幡野広志さんの写真展「優しい写真」を見に行く。平日なのに、大勢の人が立ち寄っていた。

展示されていた写真には、何気ない、でも次第に残り少なくなる日常の時間の中で、大切な存在をいとおしむ思いが詰まっていた。「伝えたいことを伝えたい人に伝えられるのが良い写真の一つ」という意味のことを幡野さんは書かれていたが、その通りの写真だと思った。

自分の人生を他の誰かと比べることには何の意味もないけれど、僕の人生は、奇天烈ながらも運に恵まれている方だと思うし、今の自分は、これまでの人生の中でもかなり幸せな日々を過ごさせてもらっているとも思う。とはいえ、そういう日々が未来永劫続くとは思っていない。変化や終焉は、誰の人生にも、いつ訪れるかわからないし、いつか必ず訪れるものでもある。

良い文章を書きたい。良い写真を撮りたい。そして、良い本を作りたい。そのためには、与えられた時間の中で、自分と大切な人たちのために、せいいっぱい、できるだけ良い生き方をしなければ、と思う。そうして、僕よりも少しだけ長生きしてくれるかもしれない本を、この世界に残したい。

食パン、いろいろ

西荻窪に引っ越して、二人暮らしを始めてから、食事が日に二食から三食になった。朝は相方が出勤前の支度で忙しいので、朝食はもっぱらトーストとミルクティー。だから最近は、二日に一斤の割合で食パンを買っている。

西荻窪の周辺には、ちょっとびっくりするほど、パン屋が多い。大手のチェーン店から創業八十年の老舗まで、よりどりみどりだ。食パンしか置いてない店や、週末しか開かない店もある。なので最近は、違うお店の食パンを買って、食べ比べてみたりしている。

最近世間で人気のある食パン(行列ができたりする系?)は、ふんわり柔らかい口どけで、耳も割と薄めのものが多いような気がする。それはそれでうまいと思うのだが、何種類か食べ比べてみてわかった自分の好みは、耳はがっしり、中もぎしっと詰まってて、軽く焼いてからざくっと頬張ると、小麦の香りと旨味がふわっと広がるような食パンだとわかった。

現時点でのマイベストは、前に三鷹に住んでいた頃にもよく買っていたパン屋トキドキさんの食パン。しばらく前にお店の方も三鷹から西荻窪に引っ越しされたので、僕的には本当にラッキーだった。営業は主に週末の二、三日だけで、うっかり遅い時間に行くと売り切れてるので、計画的に買いに行く必要はあるけど。

でも、パンに塗るジャムは、いまだに三鷹北口のエバジャムさん一択。毎月最終土曜日にしか開かないけど、あまりにもうますぎるので、なかなか他のジャムに手を出す気になれない。そろそろストックが尽きるから、今月末、また買いに走らねば。

To do, or not to do

タイから帰国して、あっという間に二週間経った。あまりにもあっという間だったので、正直茫然としている。

帰国して以来、毎日やたらめったら忙しい。タイ関係の編集作業、ラダック関係の編集作業、とあるWebサイトのリニューアル作業のディレクション、来年からの海外取材の打ち合わせ。平日は四六時中、ひっきりなしにいろんなところからメールやらメッセやら電話やらが着弾していて、あれこれ振り回されつつ、合間に必死こいてデスクワークを続けているうちに、一日が終わってしまう。

その時々でやらなければいけないことが多すぎて、ごっちゃになりそうだったので、とりあえず当面の仕事関係のTo Doリストを作ってみたら、異様に長大なリストになってしまって、上から下まで見渡すだけで大変な量に(苦笑)。何をやるべきか、やらざるべきか。いや、仕事に関わることだから、最終的には全部やらなければならないんだけど。

とりあえず今日のような週末は、メールの数はぐっと減るので、気合を入れて書かねばならないエッセイの原稿に取り組んでいる。集中、集中……。

To Doリストを少しずつでも短くするべく、引き続き地味に、頑張ります。