Category: Diary

面倒なことは、さっさと

昨日は午後から渋谷方面で、打ち合わせの予定が2件。どうせ出かけるなら朝イチで家を出て、午前中のうちに面倒なことをさっさと終わらせておくことにした。

面倒なことというのはもちろん、確定申告。1月にインドに出発する前に泣きながら準備しておいたかいがあって、帰国した後、留守の間に届いていた支払調書と帳簿を突き合わせても、数字はピタリと合っていた。なので、このまますぐに税務署に行ける、と思ったのだ。

荻窪税務署の申告会場がオープンする少し前に列に並び、第二陣くらいのタイミングで中へ。決算書類に粛々と数字を記入し、パソコン入力コーナーでも粛々とデータを入力。問題なく手続きを終え、印刷してもらった書類一式を支払調書などと一緒にまとめて投函。ふー、片付いた。

毎度のことながら、確定申告を終えた後の、何ともいえない解放感。おひるに旅人の木で食べた油そばのうまかったこと。これで、もう少しちゃんと儲かっていたらいいんだけど(苦笑)。

すったもんだの旅

昨日、2カ月ぶりにインドから日本に戻ってきた。

今回のインド滞在は、いつにも増して、いろいろ大変だった。前半の1カ月は、あらかじめ計画していた通りに事が運び(まあ、必要以上にエクストリームな日々ではあったけれど)、取材も順調に進み、自分なりに大切なテーマを見つけることができた。ところが、後半の1カ月は……撮影する予定だった行事が今年に限って1カ月ほど順延されたりしたのはまだいいとして、カシミールで起こったイスラーム過激派によるテロと、それをきっかけに勃発したインドとパキスタンの間の軍事衝突のせいで、すべての計画が狂ってしまった。まさか、何十年かぶりに互いの戦闘機が停戦ラインを越境して、空中戦をやらかし、その影響でインド北部にある空港が一時閉鎖されるとは、いったい誰が想像できただろう。

おかげで僕は、旅の後半で乗り継ぐ予定だったインド国内線の手配をキャンセルし、街から街へと、1回の移動で片道9、10時間もバスに乗らなければならなくなった。取材の忙しさだけでなく、そういう行程ですっかり体力を削られてしまった気がする。アムリトサルでは急に熱が出て具合が悪くなったりと、後半戦はあらゆることがうまくいかなかった。

最後の最後に、10日の夜にデリーを発つ予定だった帰国便のエアインディアが、搭乗1時間前になって急に14時間もディレイ。成田に到着したのは昨日の夜9時半。リムジンバスの運行も終わっていたので、厳寒期装備の詰まった重い荷物を担いで電車を乗り継ぎ、西荻窪の自宅に辿り着いたのは、日付が変わる1分前だった。

まあ、いろんな面でツキに見放されていたとはいえ、大きな怪我もせず、お金も何も無くしたりもせず、普通に日本に戻ってこれたというだけでも、少しはツキが残っていたのかもしれない。それにしても、絵に描いたようなすったもんだの旅だった。

———

今回の旅の最中に読んだ「羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季」、ものすごく面白かった。湖水地方で何世代にもわたって羊を飼って生計を立てている人々の暮らしぶりが、細やかな描写で活き活きと描かれている。自身も羊飼いである著者のこの処女作が、国内外で異例のベストセラーになったのも頷ける内容。人と自然との関わりや人生の持つ意味について、いろいろ考えさせられる。

布団の中から

真冬の朝は、目が覚めても、温かい布団の中から出るのが億劫だ。出発前日の今、僕はちょうどそんな気分でいる。

西荻窪に引っ越してきて、半年。街ではまだまだ未開拓の店も多いけれど、だいぶ土地勘もつかめてきた。新しい部屋での暮らしにも、いつのまにか、すっかり慣れた。細かいところを少しずつ整理したり、収納の仕方を変えたりして、だいぶ住みやすくなってきたと思う。居心地のいい部屋。ラジオからの音楽。自分でいれるコーヒー。相方と食べる夕食。何もかもが申し分なく、何の不満もない。

明日からはたぶん1カ月以上、風呂はもちろんお湯シャワーもまともに浴びることはできないだろうし、電気が使えるのも1日数時間だろうし、ネットもろくにつながらないだろう。緑の野菜とも当分オサラバだ。なんでわざわざ、僕は自ら好き好んで、そんな苦労をしにいくのだろう。温かい布団から出るのが嫌なように、ほんとに億劫だ。

でも、行かなければ。想像しただけで両手のひらがチリチリとしびれてくるような冒険の日々が、僕を待っている。良い写真を撮りたい。良い文章を書きたい。ただただ、そのために。

明日からしばらく、ブログの更新をお休みします。帰国は3月11日頃の予定です。では。

年明け早々

年明け早々、ここ数日は、猛烈に忙しかった。

主な要因は言うまでもなく、確定申告の準備。今週末から3月11日までインドに行くので、今週のうちに仕訳帳などの準備を終わらせて、帰国したら留守中に届くはずの各クライアントからの支払調書を確認して、すぐ税務署に行けるようにしておかなければならない。文字通り半泣きになりながら、青色申告ソフトと格闘の日々。それもどうにかこうにか、今日の昼過ぎに一区切りついた。しんどかった……。

今日の午後は大学案件の取材も1件あって、帰宅してからついさっきまで、その原稿を書いていた。今週は仕事始めの時期特有の連絡業務のあわただしさもあったし、もちろん長く留守にする前の関係各所への申し送りもあったりで、もう……。なんでこんなに忙殺されなきゃならんのだ。主に税務署のせいだけど(苦笑)。

そろそろ、脳みそのチャンネルを切り替えて、来るべき取材に集中しなければ……。明日は荷造りをして、夕方は散髪に行ってこよう。

冬の影

一年ぶりに、陣馬山から高尾山までの尾根道を歩いてきた。去年は風が強くて結構寒かった記憶があったので、しっかり着込んだ上にザックにはインナーダウンとアウターシェルを詰め込んでおいたのだが、今日は風はほとんどなく、時間が経つにつれ気温もぐんぐん上がって、15℃くらいにまでなった。おかげでラクに歩けたが、ぴりぴりと頬を切るような風を期待していたので、ちょっと物足りなかった気もする(笑)。

年末年始の不摂生のせいか、今日は身体がかなり重く感じた。ひさしぶりの山行だからか、足さばきもいまいち思うようにいかない。こういう時はペースをおとなしめにキープして、じっくりと慎重に足を運ぶように意識する。すると、だんだん山歩きでの足さばきの感覚が甦って、調子が戻ってきた。トータルでは、約6時間。去年は5時間半くらいだったはずだが、気持ちスローペースで休憩もやや長めだったので、こんなところだろう。

朝の早い時間帯にこの尾根道を歩く時、冬の日差しが足元に木々の影を落とすのが好きだ。立ち止まって写真を撮っていたら、山歩き慣れしていそうな父親と男の子が、仲良くおしゃべりしながら僕を追い越していった。