Category: Diary

収納の追求

三鷹から西荻窪に引っ越してきて、一年と少々が過ぎた。引っ越し当初はバッタバタだった部屋の中もだいぶ落ち着いてきて、しっくりくるようになってきた感はある。

1LDKの部屋での二人暮らしなので、そんなに広々と使えるわけでもなく、収納スペースも割と限られているので、二人分のモノをいかに邪魔にならないように収納するかが、引っ越し当初からの課題だった。特に僕の方が、異様に本が多かったり(引っ越し前にだいぶ処分はしたのだが)、カメラ機材も多かったり、その上なぜかアウトドア関係のウェアやグッズもたくさんあったり(たとえば寝袋が春夏秋用と厳寒期用と2つもあったり)で、相方にだいぶ迷惑をかけてるので、収納に関しては相当に頭を使った。

役に立ったのは、やはり無印良品。使いやすいサイズ感とバリエーション、コスパは最強だと思う。最近では、酒瓶とかを安定して保管するための薄型の棚とかを無印で調達している。この週末も、壁に取り付けるフックなどを無印で物色してこようかと思案中。

広々とした家に住むのはそりゃ快適だろうとは思うけど、こぢんまりした家であれこれ工夫しながら居心地よく暮らすのも、面白いなあと思う。

夏が過ぎ

ここ三、四日で、急に秋めいてきたような気がする。

少し前までのうだるような暑さに比べると、気温も少し下がったし、夜もだいぶ寝やすくなった。外を歩いていても、風はどこかしら爽やかだし、セミの鳴き声も勢いがなくなってきて、ちょっとせつない響きになっている。毎朝、仕事を始める前に飲むコーヒーも、今朝はアイスからホットに変えた。

1カ月前にインドから日本に戻ってきて、あくせく働いてるうちに、夏が過ぎてしまった感がある。まあ、あともう1カ月経てば、灼熱のタイ取材が回ってくるんだけど。

タイ取材が終わったら、もう年の瀬に向けてまっしぐらなんだろうな。いろいろ早すぎて、考えただけでちょっとくらくらする。

夜更けのジントニック

先週の土曜日、九品仏のD&DEPARTMENTで、新しいグラスを買った。背高で縁の薄い、ビールとかを飲むのによさそうなタンブラーだ。もちろんビールを飲む時にも使おうと思っているが、うちでの主な用途は、ジントニック。先々月に手に入れたアイル・オブ・ハリスジンがたいそう気に入ったので、よりおいしく飲めそうなグラスを探していたという次第。

アイル・オブ・ハリスジンは、スコットランドのハリス島にある蒸溜所で造られているジンで、ボタニカルの一つにシュガーケルプという昆布を使っている。飲んでみると、味がするのだ、昆布の。氷を入れた背高グラスにハリスジンを注ぎ、その2、3倍の量の炭酸水を注ぐ。口に含むと、爽やかなのに、ほのかな甘みと旨みがある。グラスの形や縁の薄さも、ずいぶん味や気分を左右するものだなと思う。

夜更けに背高グラスで飲む、ジントニック。ささやかな愉しみが、一つ増えた。

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ブルース・チャトウィン「ソングライン」(新訳版)読了。いつか文庫化されたら買って旅先で読もう、と思い続けていたのだが、なかなか文庫化されないのでハードカバーを買った。紀行本というより、旅の時間、過去の記憶、古今東西の文献に記された言葉など、無数の断片を虚実ない交ぜに繋ぎ合わせて、人はなぜ旅をするのか、その理由を追い求めた、彼の思索の書だと思う。個人的には、以前読んだ「パタゴニア」の方が、より破天荒で自由自在な印象があって、好みかも。いつの日か「ソングライン」が文庫化されたら買い足して、旅先で暇を持て余した時に、またゆっくり読み耽りたい。

たたききゅうり

最近、晩飯の副菜に、たたききゅうりをよく作るようになった。

きゅうりを適当な鈍器でたたいて全体に割れ目を入れ、食べやすい大きさに割き、おろし生姜、黒酢、醤油、塩、ごま油で和え、冷蔵庫で冷やす。火も使わずに作れるお手軽メニューなので、夏の暑いこの時期には重宝している。

ただ、最初にたたききゅうりを作ろうとした時、何を使ってたたけばいいんだろう? とちょっと戸惑った。というのも、うちには、すりこぎのような適当な棒や鈍器がなかったのだ。

あれこれ試行錯誤の末に辿り着いたのは、かどやのごま油の瓶。空き瓶があればベストだが、ない場合は中身が噴出しないように口の部分をしっかり手で押さえて、底の方でボクボクたたく。今のところ、うちにある鈍器ではこれがベストだ。

……ここまで自分で書いといて何だが、もんのすごくどうでもいいことだな、これ(苦笑)。

余すことなく

終日、部屋で原稿を書く。昨日ほどではないが、まずまずの進捗。作業のペースも、文体の速度感も、だいぶつかめてきた。

今日の晩飯は、一昨日と昨日に使った食材で余った分を、きっちり使いきれるような献立にした。豚コマとナスとトマトの甘酢炒め、たたききゅうり、舞茸と長ネギの味噌汁。余り食材、割とうまく活用できたと思う。冷蔵庫の中も片付いたし、節約にもなったし、味も悪くなかった。

世の専業主婦・主夫の方々にとっては、こんな風に食材を余さず活用することなど、当たり前のお茶の子サイサイなのだろうな。自分はまだまだ修行が足りぬ。