Category: Diary

戦友

午後、笹塚で打ち合わせ。夏に出す予定の本のDTP作業をお願いする知人に会う。

その知人の方とは、知り合ってかれこれ十年も経つ。当時の僕は、新しいジャンルの雑誌の創刊に携わっていて、何から何まで手探りの無我夢中な状態で、必死になって企画を立ち上げようとしていた。その頃に一緒にやっていたデザイナーやDTPスタッフの方々とは、いわば「戦友」とでも呼べるような連帯感を今も感じている。

その雑誌の編集業務から離れてずいぶん経つが、今でも時々、自分が関わる書籍の企画で、戦友の方々の力を借りることがある。そういうつながりが生まれるのも、フリーランスの仕事の面白さかな、と思う。

淡々と

夕方、原宿へ。以前から打診のあった、編集の仕事についての打ち合わせ。

今回引き受けた仕事は、海外のある専門書を翻訳会社が日本語に訳したテキストを、きちんとした形に原稿整理するというもの。書店で販売される商品にはならないので多少は気が楽だが、それでも、原書で387ページほどのボリュームがあるので、ラクな仕事とは言えない。ほかにも、これから佳境に突入する本の編集作業もあるし‥‥。

こういった編集作業というやつは、心を無にして、淡々と進めていくのが一番いい。編集者の仕事なんて、世間的には華やかに思われているかもしれないが、本来、地味で単調な作業のくりかえしなのだ。さて、やりますか、淡々と。

ポンコツ

今日は特に予定もなく、ずっと家にいるつもりだったので、前後不覚に爆睡してしまった。目が覚めたのは昼過ぎ。あまりに寝過ぎて、頭が痛くなったくらい。

ボーゼンとした状態でシャワーを浴び、近所のコンビニで買ってきたサンドイッチをかじりながら、Macに向かって仕事開始。‥‥が、まったく頭が回らない。モニタを凝視したまま、数十秒も固まってしまう。ダメだ。今日の俺はポンコツだ(苦笑)。

夕方頃になって、ようやく身体がしゃっきりしてきたので、知人から頼まれているブログのデザイン案をPhotoshopでちょこちょこ作ったりする。何ともサエない一日になってしまった‥‥。明日からは打ち合わせやら何やらで立て込んでくるし、ま、いいか。

加速装置

夕方、歯医者へ。奥歯の虫歯治療も今日で終わり。先週、型を取った治療箇所に金属の詰め物をしてもらう。何も考えずに心おきなく食べ物が噛めるって、スバラシイ。

今回のように奥歯に詰め物をしてもらう時、いつも思い浮かべてしまうのが、「サイボーグ009」に出てくる加速装置(古いな)。奥歯に埋め込まれたスイッチをカキーンとやると、目にも止まらないスピードで動けるようになるというもの。懐かしいなあ、と思ってググってみたら、ウィキペディアにある「加速装置」の解説が、あまりにも本気すぎて笑ってしまった。誰が書いたんだ誰が(笑)。

これから始まる山のような編集作業を捌くのに、加速装置が使えたらいいのに。

原発事故と差別

日本国内だけでなく、今や世界中の関心事となっている、福島第一原発の事故。事態がある程度収束するには、おそらくあと九カ月はかかるという。

今回の事故は、緊急時のバックアップ体制に大きな不備があったことは否めないが、ある意味、途方もない天災によってもたらされたものだ。だが、その一方で、どう考えても不条理な理屈によって発生している人災がある。それは、福島を中心とする被災者の方々に対する差別だ。

被災地から避難してきた子供が「放射能が伝染る」などと他の子からいじめられたとか。福島から来た人の宿泊を断っている旅館があるとか。はては、結婚が決まっていたのに、実家が福島にあるというだけで婚約を解消させられた女性がいるとか‥‥。

許せない。そんな差別をする人は、同じ人間として、絶対に許せない。

放射能に関するごく初歩的な知識も、現状を分析する判断力も持ち合わせず、根拠のない風評に惑わされて恐怖にかられている連中が、そんな愚かな行為に走っているのだと思う。だが、そういう差別をしている人は、自分自身が海外に出かけた時に、ほかの国の人から「触るな!」などと差別されることを想像してみればいい。実際、海外の国々から見れば、日本人全員が被曝してるんじゃないかと疑われているくらい、日本は小さな国なのだ。それとそっくり同じ差別を福島の被災者の方々にしているということを、その人たちは思い知るべきだ。

もう一度書く。そういう差別をする人を、同じ人間として、僕は絶対に許せない。