Category: Diary

接点を作る

昨日の夜はモンベル渋谷店で、ブータン写真家の関健作さんとのトークイベントに出演した。毎度のことながら緊張したが、関さんのおかげもあって、どうにかやり遂げることができた。

あいにくの雨の中、会場には定員の60名を超えるお客さんが集まり、発売されたばかりの関さんの本を大勢の人が買い求めていた。その余波か、少しだけ持ち込んだ僕の本も早々に売り切れてしまった。会場には、僕が何かのイベントに出る時によく参加して声をかけてくださるおなじみのお客さんもいれば、イベントの前まではラダックのことをよく知らなかったのに好きになってくれたというお客さんもいて、それぞれに何だかとてもうれしかった。

昔は、物書きあるいは写真家として本を一冊作り上げてしまえば、それで任務は完了だと思っていた。でも今は、本はとても大きな成果物ではあるけれど、伝えたいことを伝えるための道具の一つでしかない、とも感じている。今回のイベントのような形でいろんな人との接点を作り、自分が伝えたいことに気づいてもらうきっかけにする。それはささやかなきっかけでしかないかもしれないが、やがてとても大きな変化につながらないともかぎらない。

だからこれからも、自分にできる範囲で、そういう接点を作る努力をしていければと思う。

叶えられないこと

午後、目黒での打ち合わせに出かける。天気予報は今日も当たらず、降らないはずの雨が降っている。

今日の打ち合わせは初対面の編集者の方とだったのだが、自分の中でほぼ完全に固まっていると感じていた企画に、別の角度からの可能性を示唆してもらえた。この方向でうまくいくかどうかはわからないし、分の悪い勝負であることに変わりはないが、人と話をすることで初めて見えてくる可能性があるということを、あらためて感じた。

ありったけの熱意と努力を注ぎ込んでも、叶えられないことは世の中にたくさんある。けれど、熱意と努力を注ぎ込むことをしなければ、絶対に何一つ叶えられない。きついけど、やるしかない、と思う。

天気予報は雨

今日は午前中に五反田、午後は麹町で打ち合わせ。暗い空に吹きすさぶ不穏な風。天気予報は午後から雨、かなり本降りになるとか。「しっかりした傘を持ってお出かけください」というので、折り畳み傘ではなく、大きめのビニール傘を手に持って出かける。

一件目の打ち合わせを終え、移動時間の合間にハンバーガーをほおばり、二件目の打ち合わせへ。空模様は見るからに怪しげで、生ぬるい風が肌にべとつく。帰りは本降りの雨だろうな‥‥と覚悟していたが、意外にも、二件目が終わって外に出ても、雨粒はまだ落ちてきていない。

いつもなら、帰りに寄り道して早めの晩飯でも食べるパターンなのだが、それで昨日みたいに大雨に降られたら難儀なので、四ッ谷から中央線で一直線に三鷹へ。駅からもせかせかと早足で歩き、途中のスーパーで晩飯用の惣菜を買い、無事に帰宅。

‥‥で、今、夜の八時半。まだ、雨も何も降ってない。濡れずにすんだのはよかったけど、朝から晩まで一日中、邪魔なビニール傘をただ無駄に持ち歩いてたのが悲しい(苦笑)。昨日といい今日といい、天気予報、さっぱりだな。

雨やどり

午後、夕飯を作るのに足りない食材を買いに、近所のスーパーへ。会計を終えて外に出ようとしたら、空は真っ暗、いきなりのどしゃ降り。

いったん小止みになりかけたところで家まで帰りかけたが、途中でまた雨が激しくなった。小さな商店街のアーケードの下で、しばらくの間、雨やどり。雨はさらに強さを増し、アスファルトの表面を雨水が川のように流れ、しぶきがはじける。軒先に干しておいた洗濯物が心配になるが、この雨ではどうしようもない。

目の前の道路を、背中を丸めて自転車で猛スピードで突っ切っていく人や、すっかりあきらめきって、傘もささずにずぶぬれで歩いていく女子中学生二人や、いろんな人が行き来していく。僕の隣で同じように雨やどりしていた若い母子も、意を決したように小さな傘をさして雨の中に出て行った。

雨やどり。何もせず、ただ降りしきる雨を眺める時間。でも、これは無駄な時間だろうか。もしかすると、日々の中で忘れてしまいがちな、穏やかな気持を思い出すことのできる時間なのかもしれない。雨の匂いをかぎながら、ぼんやりとそんなことを思った。

いつのまにか

朝からたくさんのメールが着信。今週金曜に渋谷で開催するトークイベント関係の連絡や、まったく新規のクライアントからの仕事の打診とか。それに返事を書いたり、必要な修正作業をしたり、資料を用意したり、という感じで、慌ただしく時が過ぎていった。

文字通り死ぬほど忙しかった四月頃に比べて、先月と今月は正直、仕事はかなりヒマ。本当はこの時期に新企画の本の準備作業をやっておきたかったので空け気味にしておいたのだが、版元での検討作業がさっぱり進んでくれないので、待ちぼうけを食らってしまった。残念。

そうは言っても、このまま遊び続けているほどいいご身分でもない。この夏と秋には、それぞれ別の場所で一カ月ほどの取材を行うし、秋以降に作業を始めたい別の本の企画もある。他にも新しいクライアントの案件とか、まあ、いろいろ。たぶん、いつのまにか、気がついたらすっかり忙しくなってるのだろう。

その前に、目前に迫った大事なタスクをしっかりやり遂げねば、だな。