Category: Diary

同じような街ばかり

午後、市ヶ谷で取材。カメラマンさんが警察の検問で怪しまれて、開始時間ギリギリになってようやく到着するというハプニング未遂があったが、取材自体は滞りなく、順調。しかし、オバマが来日するといろいろ大変だ(苦笑)。

帰りの電車で、一つ手前の吉祥寺で下車。確か昨日オープンしたという、新しい駅ビル「キラリナ」をちょっと覗こうと思ったのだが‥‥文字通り、足の踏み場もないくらいの大混雑。ちょろっと通り抜けただけで、早々に退散。

しかし思うのだが‥‥最近、都内にある街並って、どこも同じような顔つきになってしまってる気がする。見た目そっくりのビルに、似たり寄ったりの雰囲気の店、よく見かける商品たち。「こうすれば人気が出る、こうすれば売れる」という風潮に、猫も杓子も右へならえという感じ。そういう街を歩いてても、わくわくしない。

たとえ地味でも、「よそはよそ、ウチはウチ」と、マイペースでやってる店が並んでる街の方が好きだな。

春の午後

昼、千駄ヶ谷へ。今作っている本のデザインの打ち合わせ。話していると、デザイナーさんたちの心意気がひしひしと伝わってきて、心強くもあり、うれしくもある。

終わった後、あまりにもさわやかないい天気だったので、そのまま電車に乗ってまっすぐ帰るのが、ちょっと嫌になった。ぶらぶらと歩いて、代々木から新宿へ。本屋をのぞいたり、コニカミノルタプラザで写真を見たり。それから三鷹まで戻った後も、近所のフレッシュネスでコーヒーを飲みながら、ぐずぐずと時間をつぶす。家に戻ったら、返信しなければならないメールの山が待ち構えてるのがわかってたから(苦笑)。

ついこの間、むせるほど甘い匂いを放つ花を咲かせていた近所の木蓮の木は、もうすっかり、瑞々しい若葉に覆われていた。早いな、いろいろ。

何気にいろいろと

この春の取材ラッシュのピークは過ぎたが、かといって暇になったかといえば、まったくそうではない。時間的に切迫したきつい作業はとりあえず片付いたけど、細々とした、でもそう悠長に構えてもいられないミッションが、何気にいろいろと待ち構えている。

今日は一日家にいたのだが、昼からずっと、あちらこちらに電話をかけたりメールを送ったり、返事が来たらその返事を書いてるうちに別のメールが来たりして、結局夜になるまで、取材原稿にまったく着手できなかった。これからしばらくはこの調子で、無数の細かいミッションに追われながら、その合間を縫って原稿を書いたり、ゲラをチェックしたりということになるのだろう。

とにもかくにも、せわしない。いつになったら、解脱できるのだろう‥‥。眠い。

こだわりと独りよがりの間

三日間、ほぼずっと家にいられたからか、身体の疲れもだいぶ取れてきた。身体がしゃっきりしてくると、仕事の効率も上がる。

一冊の本の企画を思いつき、それを作っている間には、周囲の人々から、いろんなことを言われる。ここはこうした方が、あそこはああした方が、それはちょっと違うんじゃないか‥‥などなど。その本のことを深く理解した上で意見してくれている人もいれば、そうでもない感じで割と好き放題に言う人もいる。

もちろん、すべての意見を受け入れる必要はない。でも、時には聞く耳も持たなければ、ただの独りよがりになってしまう。その見極めをどうするか。大事なのは、自分がどれだけその本に対して確固たる信念を持てているか。こだわらなければならないところは徹底的にこだわって、雑音から本を守り抜かねばならない。でも、信念を歪めることなく本のクオリティを上げられるような意見であれば、素直に受け入れる度量を持つべきだろう。

こだわりと独りよがりの間で揺れながら、細いロープにすがりつくようにして、僕は本を作っている。

自炊再開

終日、家で仕事。新しい本のためのインタビューのテープ起こしと、その原稿の執筆。

先月あたりから、忙しさにかまけて食事がおざなりになり、家で作るのもラーメンやうどんやパスタばかりになってしまっていた。来週からは取材件数も減り、自宅で仕事ができる日が増える。だから今日はスーパーで食材を多めに仕入れてきて、本腰を入れて自炊を再開することにした。

今夜作ったのは、ひさしぶりの春の味。菜の花と厚切りベーコンを刻んで、ガーリックオリーブオイルでじゃじゃっと炒め、醤油を回しがけして、どんぶりによそった炊きたてごはんの上にのっける。シンプルな料理だけど、ほんとにうまい。緑の濃い野菜をたっぷりと摂取して、身体も心なしかしゃっきりした気がする。

食べたいものを、自分で作って食べる。やっぱり自炊は楽しいし、ようやく家で落ち着いて仕事をして過ごすペースに戻れた気がする。明日は何を作ろうかな。