Category: Diary

留守の準備

旅の支度は、荷造りだけではない。留守にする家の方でも、割と計画的に、いろいろ準備しておく必要がある。ある程度の長旅になれば、なおさら。

まず、家にある保存食以外の食料を減らす。米や、野菜など冷蔵庫にあるもの。生ゴミは絶対残らないように回収日をぬかりなくチェック。洗濯物やベッドシーツも汚れたものができるだけ残らないように、天気予報を睨みつつ、洗って干すタイミングを図る。要は、いろんなものができるだけ残らないようにしておくということか。

それでも、家に残しておいた方がいいのは‥‥ビールを一缶か二缶、かな。旅を終えて、空港から家まで疲れ切って帰ってくると、途中でビールを買って帰るのを結構忘れてしまう。へろへろの状態でまたコンビニまで出かけるのもしんどいし。今回も、ばっちり残るように計算済み。

大荷物

今度の金曜日には、成田からアラスカに出発する。そろそろ荷造りを始めなければならない。

今回は、テントやマットレス、厳寒期用の寝袋(以前チャダルで使ったもの)、それなりの防寒着などに加え、約9日間分の食糧にクッカーやカトラリーなども加わるので、いつもラダックに行く時に使っている古いミレーのバックパックでは到底容量が足りない。そこで、グレゴリーの容量95リットルのダッフルバッグ(バックパックのように背負うこともできる)を調達したのだが、試しに一通り詰めてみると、フリーズドライ中心の食糧が無駄にかさばって、どうしても全部収まらない。食糧は折り畳み式のトートバッグに別途まとめることにした。

メインのダッフルバッグ、食糧のトートバッグ、そしてカメラや望遠レンズなどを収めたショルダーバッグ。試しに全部背負ってみると、ずしっ、と両脚に重みを感じた。まるで重力が何倍かになったみたいだ。山小屋にビールやジュースのケースを担いで登る強力さんたちの苦労が、ほんのちょっとだけわかる気がした。

こんな、夜逃げするみたいな大荷物を担いで、僕はいったい、何をやらかそうっていうんだろうね(苦笑)。

道を訊かれる

午後、目黒で打ち合わせ。来月下旬から始まるタイ取材について。約四週間、再びあの暑い暑い日々が始まるわけだ。僕の夏はいつになったら終わるのだろう。

打ち合わせの後、用事で恵比寿から代官山に向かって歩いていると、前方から歩いてきた白いシャツの爽やかな青年に「すみません、代官山駅まではどう行けばいいですか?」と訊かれた。「逆方向ですよ。あっち行って、そこ曲がって、さらに曲がったところ」と言うと、「ありがとうございます!」と颯爽と歩き去っていった。

たぶん僕は、普通の人よりも街の中で道を訊かれたりする回数が多い方だと思う。家の近所を歩いていても、都心を歩いていても、時には自分自身もよくわからない異国の町を歩いていても。ラダックのレーにいた時とか、地方から出てきたラダック人にまで道を訊かれたし(苦笑)。

「こいつは与し易し」みたいな敷居の低い感じのオーラが出てるのかな。まあ別にいいけど。

宇治金時

今日もじっとり蒸し暑い。午後、仕事関係で不要になった本を買い取ってもらいに水中書店さんに行き、駅前で小さな用事をいくつか。あまりにも暑いので、家に戻る前に「かき氷でも食べてくか」と思い立つ。

三鷹でかき氷といえば、やはり「たかね」しかない。店内は平日なのにかなりの混みようだったが、首尾よく坐れたので、宇治金時をオーダー。ほどなく運ばれてきたそれは、雪のようにふわふわとなめらかな氷に、濃い抹茶とつぶ餡が乗っかっている。急いで食べると頭がキーンと痛くなりそうだし、のろのろ食べてるとせっかくの氷が溶けないか心配だし、いろいろ気をもみながら(笑)、おいしくいただいた。

ここ数年、今頃の時期はほぼずっとラダックに行っていたので、今年は日本の夏の蒸し暑さが身体にこたえる。でも、暑ければ暑いなりに、今日みたいにかき氷を愉しむことだってできる。夏が終わる前に夏らしいことを一つできて、何だかよかった。

紙一重

昨夜から今日未明にかけて、広島市で起こった豪雨による土砂災害。実は、広島在住の知人が、現場のすぐ近くに住んでいた。知人とそのご家族は無事だったが、災害現場ではまだ行方不明の方々の捜索が続いている。

こうしたニュースに接するたびにいつも思うのだが、僕たちはみんな、紙一重の差で、今を生きているのだと思う。僕たちがいつもと同じ毎日を過ごせているのは、たまたまだ。ほんのちょっとした不注意や、あるいは自分たちではどうにもならない成り行きで、そうした何気ない日々はたやすく失われてしまう。今回のような災害だと、本当にどうしようもない部分も大きいから、何ともやりきれない。

被害に遭われた方々に、少しでも早く平穏な日々が戻るように、願って止まない。