Category: Diary

本をつくる旅

昨日は、「撮り・旅! 地球を撮り歩く旅人たち」の打ち上げだった。綱島のポイントウェザーさんを定休日にお借りして、午後の3時から始めて、途中で参加者が入れ替わりつつも、11時くらいまで。旅の話、写真の話、他愛のない話。初対面の人同士も多かっただろうに、そんなことをまったく感じさせない、とてもなごやかな宴だった。

他の方々と別れ、帰りの電車で一人になる。バッグの中には、版元の編集者さんが持ってきてくれた読者の方からの手紙が入っている。この本の企画を思い立ってからの約二年間、悩み、苦しみ、もがき続けた日々に、ようやく、ひと区切りついたような気がした。今の自分のこの気持は、申し訳ないけど、たぶん他の誰にもわからないだろう、と思った。

一冊の本をつくるのも、旅のようなものなのだな。

デング熱狂想曲

昼から夜まで、都心でいくつかの用事があり、出かける。

途中、代々木公園で今週末に開催されるナマステ・インディアへ。ここ数年来の盛況ぶりからすると、今年は同じイベントというのが信じられないくらい、さみしい印象だった。しばらく前に代々木公園で蚊に刺された人がデング熱にかかったらしいという件が影響して、かなりの出展者がキャンセルしたようだし、人出も少なかったように感じた。

デング熱は蚊が媒介する病気で、蚊に刺されないように気をつける以外、特に有効な予防手段がない。ただ、どこそこで蚊に刺された人が感染した云々の情報に、必要以上に踊らされる必要はないと思う。たぶん、そういう蚊はだいぶ昔から日本にもいたと思うし、一度くらい公園で駆除したからといって、来年また発生するかもしれない。今の時点で、代々木公園や上野公園以外にはそういう蚊は一切いないと考えるのも不自然だし、案外、窓を開ければ蚊だらけのうちのマンションの庭にもいるかもしれない。不用意にリスクを冒す必要はないけれど、不必要に怯える必要もないかな、と思う。

将来は日本でも、インドみたいに、テレビの画面の隅にデング熱アラートが出てくるような時代が来るのかな。来ないともかぎらないか。

置き忘れてきたもの

昨日は帰国早々打ち合わせ的な集まりがあったりして、時差の抜け切らないボケボケな状態で出かけてきたのだが、今日は丸一日家にいられたし、ゆっくり、のんびり過ごして、だいぶ身体もしゃんとしてきた。

しかし、何というか、気持は未だにどこかふわふわと宙を漂っていて、まったく地に足がついてない感じだ。心の中の一部分を、彼の地に置き忘れてきてしまったかのような。次はいつ、どうやって‥‥と、気がつくとぐるぐる考え続けていたりする。

どうなるんだろうな。まあ、なるようにしかならないんだろうな。

旅装を解く

昨日の夜、アラスカからシアトル経由で日本に戻ってきた。ワンダーレイクで吹雪に見舞われたこと以外、特にトラブルらしいトラブルにも遭わず(雪が降るのも想定内だったし)、僕にしては至極順調な旅だった。

家に戻って、写真のバックアップだけは何よりも先にやらねばならないので、クラクラして寝落ちしそうになりながらも、どうにか昨日のうちに終わらせた。それから10時間くらい前後不覚に寝て、今朝は割と元気になったのだけれど、旅の荷物を整理してしまわなければならないのが、とにかくものすごくめんどくさい。洗濯物もたんまりあるし、テントも汚れを落としておかなければならないし。

ていうか、二週間後にはまた荷造りをして、タイに行かなければならないというのが、何ともせわしないなあという感じである。

準備万端

朝起きて、出発前の最後の洗濯。ベッドシーツなどを一気に洗うが、外はあいにくの雨。仕方ないので、近所のコインランドリーの乾燥機に頼る。

午後は、持って行く荷物をリストを見ながらもう一度チェックし直そうと思っていたのだが、タイ取材についてのメール打ち合わせに思った以上に時間を取られ、なかなか取りかかれず。とはいえ、やらないわけにはいかないので、打ち合わせ後にあたふたと荷物をダッフルバッグから出してチェックしてまた詰め直し、撮影機材も防湿庫から取り出して、カメラバッグに慎重に詰めていく。よし。どうにか、準備万端整った。

夜はリトスタで、最後の晩餐。鶏の唐揚げなどを心おきなくぱくつき、デザートにブルーベリーパウンドケーキを食べていて、はたと気づいた。アラスカでは、見渡すかぎりブルーベリーの灌木が生い茂るツンドラで、キャンプを張ることになるのだった。

さて、どんな旅になるのかな。わからないからこそ、それが愉しい。いってきます。