Category: Diary

辛味の伏兵

タイ料理は辛い、というイメージを持っている人は結構多いと思う。実際は、何から何まで手のつけようがないほど激辛な料理というわけではない。辛味だけでなく、甘味や酸味、香草の風味などをいろんな食材と組み合わせて楽しめるのが、タイ料理のいいところだ。

道端の露店や安食堂でよく出てくるカオマンガイやパッタイ、汁麺の類にしても、基本的には別に全然辛くなくて、日本人好みの味だ。まあ、地元の人たちがそれに粉末トウガラシをばんばんふりかけてるのも確かだけど(笑)。

とはいえ、うまいうまいと何でもかんでも食べてると、時々、とてつもなく辛いのにぶち当たってしまって、ヒーヒーと大変な目に遭う。トウガラシが丸ごとゴロゴロ入ってるような料理はある程度警戒して臨めるのだが、本当に辛いタイ料理は、往々にして見た目はとてもおとなしいというか、「あら、ワタシ全然辛くありませんことよ?」とすました顔をしてるのが多い。たとえばラープとか、ソムタムとか、ヤムウンセンとか。で、つい油断してぱくっと頬張ると、ヒェーッと口から火を吹くことになるのだ(笑)。

タイ料理は、辛味の伏兵にご用心を。

節約しすぎ

終日、部屋で仕事。関係各所とのメールのやりとりをしつつ、タイ取材の経費のチェックと領収書の整理。

今年の取材は去年より一日長かったし、タイでも物価がいろいろ値上がりしていたので、かかった費用もきっと増えてるのだろうな‥‥と思っていたのだが、もろもろ全部差し引き整理してみたら、去年よりもちょっと安いくらいの金額に収まっていた。びっくり。

意外といえば意外だが、思い返してみると、今年は結構、安食堂や屋台でさくっと食事をすませてしまうことも多かったし、多少の土地勘が備わったことで、自然と無駄な出費をしなくなったのかもしれない。別に意識してケチっていたわけでもないのだけれど。

まあでも、最終的にこの金額に収まるとわかっていたら、もうちょっとだけ奮発して、ところどころでゼイタクごはんを食べてくればよかったな、とも思ったり(笑)。まあ、安食堂や屋台の方が性に合ってるから、いいんだけど。

汗と塩

タイで取材に明け暮れた日々は、とにもかくにも、暑かった。

灼けつく日射しはチリチリと肌を焦がし、じっとり湿った空気は濡れたシーツのように身体にまとわりつく。最初のうち、汗は文字通り滝のように流れ出るが、こまめに水を補給しないと、汗すら止まって、頭の中がぼーっとかすんでくる。

そもそも、地元のタイの人たちも、一番暑い昼下がりには、むやみに外を出歩いたりしない。取材のノルマを抱えてるとはいえ、そんな暑い時間帯にあくせく外を歩き回ってる僕の方が悪いのだ。

そんなわけで一日が終わる頃には、疲労困憊ぶりも半端なかったので、消耗した分を補うべく、食事はできるだけちゃんと摂るようにしていた。するとそのうち、目玉焼きにふりかける塩とか、ナムプラーの塩辛さとか、そういうしょっぱい味がやたらにうまく感じられるようになった。

無理もない。毎日汗をだくだくかきまくって、しまいには汗もろくに出なくなって、肌の表面からは塩が噴き出してガサガサになっていたのだ。南国では、塩の補給が大切なのだと、身に沁みて実感した。

ひたすら眠い

昨日の朝、タイ取材を終えて帰国した。

約四週間もの間、南国の太陽に灼かれて黒焦げになってた割には、特に大きく体調を崩したりすることもなく、元気に戻ってくることができたのだが、とりあえず今は、ひたすら眠い。昨日は昼寝もしたし、夜も結構どっぷり寝たのに、まだ全然寝足りない。今日は「撮り・旅!」のパネル展の設営などで朝から出歩いてたのだが、夕方頃には、もう歩きながら寝落ちしてしまいそうなくらい、眠くてたまらなくなった。

つーわけで、今日もビール飲んだら、とっとと寝ます。あー、眠い。

北から南へ

ついこの間、アラスカから戻ってきたと思ったら、明日はもう、タイへ出発。去年とほぼ同じ、約四週間の取材。

昨日と今日、あらかじめ準備しておいたチェックリストを見ながら荷造りをしていたのだが、アラスカの時と比べて、あまりにも荷物が少ないので笑ってしまう。たぶん、3分の1かそれ以下。向こうではほぼTシャツと短パン、サンダルだけで過ごすので、服がとても少ない。寝袋もいらないし、もちろんテントもマットレスも、フリーズドライの食料もいらない(笑)。一番重いのは撮影機材だが、アラスカでは重要だったヘビー級の望遠ズームは持って行かないので、ずっとましだ。

とはいえ、いろいろと予測不可能なことが起こりやすいのは、アラスカよりも断然タイだと思う。去年の取材である程度各地の土地勘はあるけれど、体調管理も含め、油断しないようにせねば。

帰国は10月23日(木)の予定。ではまた。