Category: Diary

ロールアップ

去年だったか、何年かぶりに新しいジーンズを買った。ほどよくラフな風合いで、穿き心地もよくて気に入っていたのだが、一つだけどうにかならないかなと思っていたことがあった。

歩いていると、両足の裾がスニーカーのシュータンと足首の間に挟まってしまうのだ。もう少し裾が長いか、あるいは逆に短ければ問題ないのだが、僕の足とそのジーンズの長さ(ちなみに裾上げはしていない)とのマッチングが、たまたま裾がシュータンのところに挟まってしまう長さになってしまっていた。たいしたことないと言えばそれまでだが、歩き続けるにはやっぱり気になってしまうので、このジーンズを穿く時は自然とシュータンのない靴(スリッポンやサイドゴア)を選ぶようになっていた。

で、この間のある日。うっかりこのジーンズにスニーカーを合わせて出かけてしまい、歩いてるうちに、あれ、挟まるぞ、困ったな、となり……。

ええい、もう、折り返しちまおうか。

この年になってジーンズのロールアップなんて、と正直躊躇したのだが、それ以上に裾が挟まるのがうっとうしかったので(苦笑)、くるっ、と1回折り返してみた。するとどうだ。劇的に穿き心地が改善。歩きやすく軽快になった。当たり前か。

そんなわけで、いい年こいたおっさんですが、最近は裾まくって、足首見せてます。

アクセルをゆるめて

世間で言うところのゴールデンウイークも、今日で終わりらしい。今年は隙間の平日にうまく休みが取れれば大型連休にできたので、海外に行った知り合いも多かった。

僕はというと、途中で里山歩きを少ししたり、ジャイルスのフェスに行ったりはしていたものの、結局、ほぼずっと仕事の続きだった。6日に取材が入っていたし、連休前までの取材分の原稿、Web連載の原稿、十日後のトークイベントの準備など、いろいろあったのだ。まあそれは仕方ない。むしろ、連休の影響で外から余計な電話やメールが来なくて静かだったので、作業がはかどって助かったくらいだった。

これからしばらくは、僕自身が進行をコントロールできる仕事の割合が増えるので、かなりほっとしてもいる。それで今になってあらためて感じているのは、俺、疲れてたんだな、ということ(苦笑)。文字を目で追うのが気持ち悪くなるくらい短期間で大量の原稿を書いていたし、取材であちこち長時間出歩いて身体も気力も消耗していたし、正直どうでもいいアホらしいことに振り回されたりもしてたから、当然の結果とも言える。

ちょっとアクセルをゆるめて、しっかり休もう。ちゃんと寝て、自分でメシ作って食って、好きな音楽を聴いて、好きな本を読む。たとえほんのかりそめでも、そういう時間が必要だ。でないと、心がぱさぱさになる。

WORLDWIDE SESSION 2016

wws2016
明け方の嵐が過ぎ去った後、嘘のように晴れ上がった空。昼、電車を乗り継いで、新木場へ。今日は前から楽しみにしていたWORLDWIDE SESSION 2016の日。松浦俊夫さんとジャイルス・ピーターソンがキュレーターとなって、選りすぐりのアーティストを集めた新しいスタイルのフェスだ。

開場と同時に人がわっと集まる中、コロッケパンとビールで腹ごしらえし、臨戦態勢。松浦さんのDJの後、最初のアクトはミゲル・アトウッド・ファーガソン・アンサンブル。まるでペルシャ絨毯のように緻密で繊細で、隅々まで感覚の行き届いたジャズ。その次に来たのは、大本命、サン・ラ・アーケストラ! ジャイルスによるコンピは前から聴いていたのだけれど、彼らの本当の凄さはライブでなければ体感できないということを思い知らされた。まもなく92歳になるという御大マーシャル・アレンがお茶目で、でもカッコよすぎて、最高だった。音楽って、こんなにも自由なのか。

ジャイルスによる約1時間のDJ(これもカッコよかった……)で場内はさらに盛り上がり、僕はその間にもう一本ビールを補充。トリはSOIL & “PIMP” SESSIONSと日野皓正さんのコラボ。日野さん作曲の「くまモンブルース」最高(笑)。ラストの曲が「Loud Minority」だったのも粋なはからいだった。最後の松浦さんの挨拶、なかなかうまく言葉にできないでいたけれど、このイベントに注いでいた気持が伝わってきた。

「希望的観測」とかでは全然ないと思うので(笑)、来年、またぜひ。

我に返る

ゆっくり寝て起きて、朝昼兼用につけめんを寸胴で茹で、一念発起して、部屋中に掃除機をかけた。ものすごくひさしぶりに掃除をした気がする。

午後の写真展会場での在廊を終えた後、スーパーに寄って食材を買い、夜はこれまたものすごくひさしぶりに米を炊き、おかずに里芋と豚バラの煮っころがしを作った。パスタやラーメン以外でまともに自炊をしたのは、いったいいつ以来だろう。

考えてみればここしばらく、というか2016年になるかならないかのうちから、本当にありえないくらい、仕事でしっちゃかめっちゃかな状態が続いていた。こういう日常の当たり前なことで、ようやく少し我に返れたようだ。

……とはいえ、6月頭からは1週間ほどブータン、7月中旬からは1カ月ほどラダック、8月下旬から南東アラスカに2週間、10月は恒例のタイ取材4週間。2016年の後半は、日本にあまりいない日々が続く。まあ、それはそれで、僕らしいといえばそれまでか。

青梅丘陵散策

R0011258
ひさしぶりに外で、しかもかなりお気楽に身体を動かそうと思い、青梅駅からすぐの場所にある青梅丘陵ハイキングコースを散策してきた。白いシャガの花々が咲く向こうに、木々の梢に芽吹いた新緑が次第に色濃くなっていくさまが、瑞々しいグラデーションとなって現れていた。澄んだ空気を深く吸い込む。気持いい。

R0011259
天気予報では今日は快晴となっていたが、朝から晩まで、あいにくの薄曇り。暑くなかったので身体は楽だったけど、ひさしぶりにおひさまの光を浴びたかったなというのは、ちょっと贅沢か。青梅丘陵ハイキングコースは平坦で楽に歩ける割に爽快感もあるし、アクセスも楽なので、結構気に入った。途中に休憩所もたくさんあるので、今回はジェットボイルを持参して、休憩所のテーブルで温かい食事を作って食べた。

こんな休日、いつ以来だろう? いいリフレッシュになった。