Category: Diary

森と氷河と鯨


昨日の午後、予定通りに南東アラスカから日本に戻ってきた。この間のラダックでの滞在に比べれば、期間も半分だし、あっという間だった気もするのだが、ラダックから戻ってきた時以上に、浦島感というか、周囲の環境にうまく馴染めなくて、ぼーっとしてしまっている。日本に、というより、人間のいる環境に。

南東アラスカでの日々は……短い間に、本当にいろんな出来事があった。誰かに話しても、すぐには信じてもらえないような出来事も。氷河の青い氷。苔の繁茂する深い森。ハクトウワシのまなざし。無邪気にじゃれあうクマ。ボートを取り巻くザトウクジラの群れ……。

あまりにも気高く、美しいものを、僕は、目にしすぎてしまったのかもしれない。

出発前の嵐

台風9号の首都圏上陸で、朝から天気は大荒れ。幸い、特に出かけなければならない用事もなかったので、旅の荷造りの仕上げをして、あとは部屋で雨と風の音を聞きながら、おとなしく過ごす。

元々は今日から出発する日程を考えていたのだが、お盆明けの平日に1日東京にいることで、仕事関係の連絡がつきやすいようにした方がいいと思い直して、明日の出発に変えたのだった。今となっては、本当に運が良かったと思う。もし出発予定が今日だったら、飛行機の遅延や欠航で、現地の細かい事前手配が危うくパーになるところだった。

まあ、明日からの2週間、何もかも予定通りにうまく運ぶとはまったく思ってないけれど、まずは五体満足無事に戻ってくることを目標に、新鮮な気持でアラスカを楽しんでこようと思う。

帰国は9月5日の予定。ではまた。

旅というより

夜、来週火曜からのアラスカへの旅の荷造りに、ようやく着手。

今回の目的地は、南東アラスカ。二年前のようにキャンプをするわけではないのでテント関連は不要なのだが、無人島にある丸太小屋に数日間泊まるので、厳寒期用寝袋とマットレス、炊事道具、フリーズドライの食料、海から上陸する際の長靴など、それなりにいろいろ持って行かなければならない。グレゴリーの95リットルのダッフルバッグが、みるみるうちに満杯になっていく。

おまけに撮影機材も、カメラボディ2台にレンズ4本(うち1本は80−400mmという横綱級)という一番大がかりなセットだし、パソコンとハードディスクもあるしで、ダッフルバッグと同時に全部背負ったら鎖骨が砕けそうなレベルである。何というか、旅の準備というより、引っ越しか夜逃げでもするみたいな気分になってきた。

毎度のことながら、アラスカ、いろいろしんどい。

服の断捨離

今日は激しい雨やら雷やら、何だか不穏な空模様。夕方になってちょっと安定してきたようだったので、吉祥寺まで歩いて行って、いくつか買い物。来週からの旅に必要なものと、無印良品でポリの衣類収納ケース。

家に戻って、買ってきた衣類収納ケースを追加セットし、一念発起、クローゼットの整理を始める。僕は服に関しては未練がましくて、下着や靴下はノビノビになってすりきれて最終的に穴が開いても捨てるかどうか躊躇してしまう。逆に言えば単に横着かつ無頓着なのだろうが、そんなわけで年々、クローゼットの中がひどくカオスな状態になってしまっていたのだ。

大きめのビニール袋を用意して、ばっさばっさといらない服を放り込む。穴の開いたトランクス、ゴムの伸びきった靴下、首まわりが元の倍くらいだるだるになったスウェット、しみのできたTシャツ……なんでこんなのキープしてたんだろ、と我ながら呆れる。

旅から旅へという日々を続けていると、とかく、ベースとなる生活がおろそかになってしまう。自炊とかがままならないのは仕方ないけど、ちょっとずつでも、生活を整えるのを忘れないようにしなければ、と思う。

……しかしまあ、今回の断捨離に関しては、今までが横着すぎただけなんだよな(苦笑)。

新幹線と在来線

昨日は終日、部屋で仕事。今年の夏にラダックで取材してきた素材で、Web連載に使えそうなものを整理して記事化し、アップロード。インドにいる間(デリーでの乗り継ぎ待ち時間とか)に原稿を書き進めておいてよかった。これで10月くらいまでは持ちこたえられるはず。

今日は昼から新宿へ。ニコンのサービスセンターでD800をセンサークリーニングに出し、来月の写真展の準備のためにあれやこれやと。ひさしぶりに桂花で太肉麺を食べ、夜はバルト9で「シン・ゴジラ」を観る。まさにニッポンの空想特撮怪獣映画といえる作品。緻密で膨大な量のディテールをひたすら積み上げることで、圧倒的なリアリティを生み出していた。ただ、登場人物たちに感情移入できるかというと僕的にはそうでもなく、淡々と見続けてしまった感じではある。

とりあえず、新幹線と在来線の扱いがよかった(笑)。