Category: Diary

今さらの風邪

我ながらどうかと思うのだが、今頃になって、風邪をひいた。極寒のアラスカではなく、春間近の日本で。

風邪といっても今のところそんなにたいしたことはなく、鼻づまりと喉がいがらっぽいくらい。昨日の夜からちょっと怪しかったのだが、とりあえず昼の段階で薬局で買ってきた葛根湯を飲み、寝床にもぐり込んで3時間くらい昼寝した。食欲はあるし(さっきも菜の花とベーコンの炒め物をたっぷり作って食べた)、身体がしんどいという感じもない。このまますんなり治ってくれればいいのだが。

旅と取材の強行軍続きで、疲れがたまってたところにつけ込まれた。今夜もしっかり寝ておこう。明日からはまた取材、取材の日々だ。

風の冷たさ

この冬、外を出歩く時にはほぼ必ず、ニットキャップをかぶっていた。寒い場所にいる時、外に逃げていく体温のうち約4割は頭からだと言われている。実際、いったん慣れてしまうと、ニットキャップなしで外に出たら、頭がスースー感じてどうにも落ち着かなくなってしまった。

先日の冬のアラスカへの旅にも、もちろん持って行った。だいぶ昔に買って以来愛用している、モンベルのシンプルなフリースのキャップ。今までこれで不自由を感じたことは一度もなかったのだが、今回は違った。完全に役不足だった。

原因は、風だ。冬のアラスカを吹く風は、とてつもなく冷たい。外気温がマイナス15℃程度でも、風がなければ、普通に厚着した程度でもどうにか耐えられる。でも風が吹くと、ほんの数分もじっとしていられないほど寒く感じる。正直、身体に危険を感じるほどの冷たさなのだ。今回のフリースキャップには、そんなアラスカの風を遮れるほどの遮風性はなかったので、帽子の上から上着のフードをかぶらなければならなかった。

今度行く時は、ウインドストッパー素材で覆われた、がっちりしたやつを持っていかねば……だんだん、極地探検みたいな装備になってきたな……。

春、夏、秋、冬、ぬかるみ

この間、アラスカで滞在したロッジで、オーナー一家の若夫婦が、アラスカの四季の移り変わりについて、こんなことを話してくれた。

「ここでは、4月と5月は雪解けでそこら中がぬかるんでしまって、大変なんだ。どこに移動するにも苦労する。スノーモービルは使えなくなるし、水上飛行機を使おうにも湖面には氷が残ってる。そういう時期が過ぎて、僕らの感覚では、6月が春。7月が夏。8月が秋」

「……あとは全部、冬なんだね(笑)。一番好きなのはどの季節?」

「それはものすごく難しい質問だなあ……。どの季節も、毎日、違う表情がある。年によっても全然違う。だから、全然飽きないんだよ」

アラスカの原野で、日々を生きていくことの、厳しさと愉しさ。朗らかに笑いながら話してくれる彼らが、本当に羨ましかった。

強行軍

今回のアラスカへの旅は、現地から日本に戻ってくるまでが、かなりの強行軍だった。

現地時間の12日、宿泊先からヘリ(!)でタルキートナへ。地ビールのブリュワリーのパブで飲みつつMacをWi-Fiにつないで少し仕事をし、列車に乗って3時間かけてアンカレッジへ。駅からタクシーを拾って空港へ。ターミナル内の地ビールのパブでまた飲みながら(苦笑)少し仕事をして、夜半過ぎのフライトで、明け方、シアトルへ。空港内のフードコートの片隅で、スタバのコーヒー飲んだり、サーモン&チップスを食べたりしながら、Wi-Fiにつないでちまちまと仕事。昼過ぎのフライトで約10時間かけて成田へ。着いたのは日本時間で14日の夕方だった。

で、翌15日は朝6時起きで、午前と午後に八王子方面で取材。昨日も国立で取材。気を張っていたからそこまでしんどくもなかったが、今日は気が抜けたのか、ぐったりとまではいかないものの、身体がだるく感じた。眠くないのに眠いという、よくわからない状態。

まあでも、アラスカの地ビールは、うまかった。

Sounds good

個人の取材旅行でアラスカ、つまりアメリカに行くのもこの間で3回目。だからというわけでもないが、「アメリカ人、妙にこれをよく使うな〜」と感じる言い回しがあるのに気付いた。それは、「Sounds good」。相手が何かを選んだりした時に相槌を打つ感じで「いいねえ」と言う時の言い方だ。

たとえば、レストランやカフェで何かを注文した時、ホールスタッフはよく「Sounds good」と言う。店で何かを買った時、列車の車掌に行き先を聞かれた時、飛行機でCAに機内食はビーフかチキンかを答えた時でさえ、みんなほんとによく使う。英語圏の人ならではの、ちょっとこなれた言い回しなのかもしれない。

というのも、僕が主に旅をしているインドやアジア諸国では、こんな言い回しをされた記憶がさっぱりないからだ。英語が超堪能なスタッフのいる高級ホテルとかなら通じるのかもしれないが、そんなとこには縁はないし。

そういえばちょっと昔、レーのツーリスト向けカフェでブレックファストを注文しようとして、卵の焼き方を聞かれて「Sunny-side up」と答えたら、ネパール人のホールスタッフには1ミリも通じなかった(苦笑)。英語のこなれた言い回しを知っていても、何の役に立たない場所は、世界にまだまだたくさんある。