Category: Diary

週末台風

先週末も今週末も、日本列島は台風に見舞われている。

先週は僕はまだ日本に戻ってなかったから、どんな具合だったかは知らないけれど、友人夫妻が住んでいる鎌倉の海沿いのマンションが浸水してえらいことになったという話を聞いたりしていたので、相当大変だったのだろうなと思う。今週末の台風は結構早足で通り過ぎていくようなので、ちょっとほっとしているのだが。

その台風の関係で、今日は朝からずっと雨。ついさっき、小止みになってきたか。昼頃まで寝た後、午後は一念発起して、タイ案件の編集作業にみっちり取り組んでいた。外に出かけたりする気にならないので、その分、集中できたとも言える。

明日からは、秋晴れの気持いい天気になりますように。それでも自分に関しては、部屋に閉じこもって仕事することに変わりはないけど。

夕方6時のタイを撮る

今年のタイ取材では、過去4年間とちょっとだけ違う試みをしていた。

毎日、日中の取材ノルマを終えると、僕はいったん宿に帰って汗でどろどろの身体をシャワーで洗い、少しデスクワークをしてから虫除けスプレーを吹き付け直し、だいたい夕方6時頃、晩ごはんを食べにまた外に出かけていた。その時、カメラにつけていたのは、50mm F1.8の単焦点レンズ。今回の取材中、個人的な作品の撮影は、夕方6時前後に50mm F1.8で、基本的に絞り開放で撮る、という縛りを自分に課していたのだ。

理由はいくつかある。個人的に、一日のうちでタイが一番タイらしい表情を見せると感じるのが、日没前後のこの時間帯。暮れていく空にうっすらと青みが残るくらいのタイミング。昼間の暑さも少し引いて、人々が街に出てきて、露店や食堂がにぎわい出す。僕自身、この時間帯のタイの街の雰囲気が好きだから、というのもある。

50mmの単焦点レンズを絞り開放にしていたのは、南国特有の湿気をたっぷり含んだ空気のうるみのようなものを捉えたかったから。パキッとシャープに撮るのではなく、ぽやんとした感じの写真を撮りたかった。構図にしてもあまりきちんと決め込まず、かなりラフな感じで、ぱしゃぱしゃとスナップ感覚で撮っていた。少々手ブレしてもいいくらいのつもりで。

実際にこういう縛りをつけて撮ってみて、新鮮というか、写真の面白さをあらためて教わったような気がしている。いつもの自分のやり方と違うアプローチにすることで、技術的、感覚的に気付けたことがたくさんあった。写真も、日々是勉強だなあ、と思う。

季節がふたつ先へ

3週間と少々のタイ取材を終え、今朝、東京に戻ってきた。

日本を発つ前はまだ暑いくらいだったのに、帰ってきてみると、わずか3週間で、季節がふたつ先へと進んでしまったかのようだった。自宅の部屋の中でも、出発前はTシャツ短パンだったのに、今はスウェットの上下に靴下、さらに半纏まで羽織っている。タイの暑さに順応するために身体中の汗腺が開ききってる状態だから、なおさら。

これから年内はずっと日本にいる予定なので、とりあえず、しばらくは規則正しく落ち着いた生活がしたい。自分で食事を作り、コーヒーをいれ、デスクワークに集中して、という生活。ふりかえってみると、7月頃からずっと旅しかしてなかったような気がしている。9月は日本にいたけれど、忙しくてなかなか落ち着けないうちにまた旅立ってしまったし。

来年1月には半月ほどラオスに行くので、それまでは、じっくり腰を落ち着けて、仕事に集中します。

棄権について思うこと

昼、近所の小学校へ、武蔵野市長選と市議補選の投票に行く。

今月行われるであろう衆院選には、僕は投票できない。明日からしばらくタイ取材で、帰国する頃には投票が終わっている。公示前に出発だから、期日前投票もできない。マイナンバー制度とか作るくらいなら、海外でもオンラインで認証して投票できるようにすればいいのに、と思う。

昨日散髪に行った時、店主さんが「自分は投票に行かない。棄権するのも意思表示の一つだと思う」と話していた。少し前にネット上でもそういう言説が話題になっていたと思う。確かに、有権者の8、9割が投票を棄権すれば、それはそれで政治家たちに対する意思表示にはなるのかもしれない。だが、現実にそうなる確率は非常に少ないのも確かだ。

今の日本で、投票を棄権するということは、国や社会の未来を選ぶ権利を自ら放棄して、すべて他人に委ねる、ということになってしまう。そうして、なしくずし的に国も社会もどんどん悪くなっていって、本当に国の政策に対して声を上げたいと思う頃には、「国民主権」という選ぶ権利すら奪われていることにもなりかねない。今、政治の世界にのさばりはじめている極右の連中は、僕らから権利を奪うことを本気で考えている。首相も都知事も府知事も、同じ穴のムジナだ。

自ら選ぶ権利のあるうちに、自らの意思を示しておくべきだ。奪われてからでは、遅すぎる。

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取材のため、しばらく更新をお休みします。帰国は10月24日(火)の予定です。では。

パルメザンチーズ

昼の間に、寝具のシーツ類や綿毛布、タオルケットなどをまとめて洗濯し、コインランドリーの乾燥機で一気に乾かす。午後は散髪に行って、髪を短くカットしてもらう。どれも、旅の出発前の恒例行事。

家の食材はほとんど使い切っていて、今日は残りのパスタとミートソースで晩ごはん。パルメザンチーズを、ザッザッザザザッ、とたっぷりかける。

子供の頃、ミートソースにふりかけるパルメザンチーズは、ある意味、憧れの対象だった。赤いソースの上にふりかける白いチーズの粉が、なんだかものすごくおいしいもののように思えていたのだ。実際には、混ぜるとソースにすぐ溶けてしまって、味として「ちょっとコクが出たかな」くらいの違いしかないとは思うのだが。とにかく子供の頃は、あの赤いソースに白い粉チーズというビジュアルに憧れていた。でも、親の目の前でチーズを大量に浪費しまくる度胸は正直なかった。

大人になったら、ミートソースに、思うぞんぶん、パルメザンチーズをふりかけたい。

その夢はあっさり実現し、僕はミートソースパスタを作るたび、これでもか!というくらいパルメザンチーズをふりかける。そんなに味は変わらないのはわかってる。ただ、ふりかけたいのだ。思うぞんぶん。それだけだ。