Category: Diary

産毛の変化

昨日、ひさしぶりに髪を切ってもらいに近所の理髪店に行った。カットとシャンプーが終わり、顔を剃ってもらう段になって、いつも担当してくれている理容師さんが僕の頰を軽く触りながら、「ああ、元に戻りましたね」と言った。

「戻ったって、何がですか?」と聞くと、「夏の終わりに、インドからお戻りになった後にうちにいらした時に気づいて、でもその時は言わなかったんですけど……あの時はすごかったんですよ、お顔の産毛が、ごわっとしてて。でも今はいたって普通ですね」

スピティやラダック、ザンスカールで約2カ月を過ごした後、僕の顔の皮膚は、理容師さんが剃刀を当ててびっくりするくらい、産毛でごわごわになっていたのだそうだ。高地で極度の乾燥と紫外線に晒されるうちに、身体がしぜんと防衛体制を取っていたのだろう。かたや、ふんだんに湿気のあるタイでは、そこまで防御する必要はなかったということか。

しかし、「元に戻った」か……どっちが「元」なんだろうな、僕にとっては。

胸突き八丁

ここ半月ほどの間、新しい本の執筆・編集作業にひたすら没頭していた。一時はかなり焦っていたのだが、どうにか遅れを取り戻し、今日までに、約8割のページの準備作業が終わった。8割……ページ数だけで言えば。

ここから先、残りの数十ページは、半分以上が新規の書き下ろしで、残り半分もかなり手間のかかる作業が絡んでくる。文字通り、胸突き八丁。しんどい日々が続くのは間違いない。それもまあ、楽しいのだけども。

他にもタイ案件や大学案件もこれから作業や取材が入ってくるし、うっかり風邪とか引いたらそれこそスケジュール的に大変なので、いろいろ油断しないように、ぼちぼち、やっていきます。

惜しむように飲む

2017年から始めた、ビールを飲む量を1日1缶から2日に1缶に減らすという試み。実はまだ続いている。

灼熱のタイ取材の間は、「こんなクソ暑いとこで毎日取材で歩き回ってたら、ビールでも飲まな、やっとれんわ!」ということで、毎晩チャーンビール500ml缶を飲んでいたのだが、それで帰国して体重計に乗ってみたら、1キロくらい太っていた。で、東京で再び、1日おきに350mlを1缶という習慣に戻したら、すとんと1キロ落ちた。運動量はむしろタイ取材中より少なくなっているのに。

体重の増減や体調の管理には、酒量だけでなくいろんな要素が絡んでいるとは思うが、少なくとも今の僕の身体には、350mlのビールを2日に1缶というのが、ちょうどいいペースなのだと思う。

今日は飲める日だったので、冷凍庫でちょっと冷やしておいたグラスに、これまた冷え冷えのホワイトビールを注いで、ぐびりと飲んだ。うまい。でも、350ml缶だと、あっという間になくなってしまう。文字通り、一滴々々味わいながら、惜しむように飲む。我ながら、ちょっと滑稽でもある。

まあ、そんなストイックな毎日ばかりではつまらないから、飲み会の時はリミッターを外して、浴びるように飲んでいるのだけども(苦笑)。

ルーティンに従う

終日、部屋で仕事。タイから帰国して新しい本の執筆・編集作業に入って以来、仕事をする日の行動パターンは、毎日ほとんど同じ。

午前中遅めの時間に起床。シャワーで完全に目を覚まし、ラジオのスイッチをオン。朝昼兼用の食事は、インスタントラーメンと即席うどんとトーストのローテーション。食後にコーヒーをいれ、飲み終えたらラジオを切って、作業開始。夕方、必要に応じてスーパーに食材の買い出しに行き、適当に自炊して晩飯。食べ終えたら作業再開。その日のノルマと決めたところまで進んだら終わり。腕立て伏せ、腹筋、スパイダープランク、スクワット。晩酌のビールは1日おきに1缶。気が向いたらブログを書いて、だらだらネットを眺めて、深夜に寝床に潜り込む。

意外と思われるかもしれないが、僕は、こういうルーティンを守ること自体は、別に苦にならない。特に、本の執筆のように大きな仕事に取り組んでいる時は、ルーティンに従って行動していた方が、余計なことに気を取られずに作業に集中できる。で、そのうち、毎日ルーティンに沿って動き回っている自分を、別のところから客観的に眺めているような気分になってくる。そしてそれが、少し滑稽に思えたりもする。

まあ、物書きの日常なんて、そんなものである。

タイガー・ジェット・シン的集中法

以前、脳科学者の茂木健一郎さんが自身のブログに書かれていたのだが、勉強やデスクワークなどに取り組む時は、タイガー・ジェット・シン的な集中法が効果的なのだという。

タイガー・ジェット・シンは僕が子供の頃に大活躍していた悪役プロレスラー。入場してくると同時にサーベルを振り回し、パイプ椅子を叩きつけ、と最初からハイテンションで暴れまわっていた。茂木先生によると、僕らは机に向かう前に資料を揃えて並べたり、お茶やコーヒーをいれたり、といった段取りを整えてから、と思ってしまいがちだが、それだと集中力が上がりにくいのだそうだ。「さーて、やるか」と思った瞬間から、タイガー・ジェット・シンみたいにいきなりガーッと始めてしまう方が効率が上がるのだという。

最近、新しい本の執筆と編集で、来る日も来る日もデスクワークなのだが、どうにも気が乗らない時は、このタイガー・ジェット・シン的集中法、試してみようと思う。

ちなみにタイガー・ジェット・シンのあの悪役キャラは完全に演技だったそうで、ご本人はシーク教徒の聡明な人物なのだそうだ。