アルベルト・ザッケローニ

夜、テレビでサッカーの日韓戦を観る。結果はスコアレスドローだったが、単なる親善試合とは思えない、緊迫感のある、面白い試合だったと思う。

驚いたのは、日本代表の変貌ぶりだ。これが、過去数年間、煮え切らない試合運びにげんなりさせられながら観ていたのと同じチームの試合だろうか? 先日の対アルゼンチン戦は、相手のミスやコンディション不良にかなり助けられた面もあったと思うが、今夜のアウェイの試合では、故障で欠場したパク・チソンを除けば過去最強といってもいいメンバーの韓国を相手に、がっぷり四つの真っ向勝負を挑んでいて、しかもまったくひけをとらなかった。

アルベルト・ザッケローニが日本代表の監督に就任して、まだ一カ月ちょっと。指導らしい指導は、今回の親善試合二試合のための事前合宿で行った程度で、実質的な強化はまだ始まったばかりだ。それなのに、この短期間でのチームの変化には驚かされる。コンパクトな布陣を保ちつつ、積極的にボールを奪取し、そこから縦にすばやく攻める。最初にこのシンプルなコンセプトを徹底させたことが、ワールドカップである程度自信をつけた今の日本代表に、次なる進化の道筋をつけたのだろう。選手たちも、受け身一辺倒でボールをこねくり回していた以前の戦術に比べると、ふっきれたように溌剌とプレーしていた。

それにしても、ザッケローニが監督とは‥‥。今から十数年前、彼が監督をしていた頃のACミランは、本当に魅力的だった。日本でも有名だったレオナルド、リベリアの怪人ジョージ・ウェア、そして、ズボニミール・ボバン。あの魅力的なタレントたちを率いてスクデットを獲った監督が、今は日本代表の監督をしている。予断は許さないけれど、彼には期待してもいいのかもしれない。

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