羽田からデリーに向かう機内で、劇場公開時に未見だったラジニカーント主演の「ジェイラー」を、日本語字幕付きで観た。
警察の仕事を引退し、妻や息子一家とともにチェンナイで平穏に暮らしていたムトゥ。しかし、同じく警官として美術品マフィアを追求していた息子のアルジュンが行方知れずになってしまう。かつて、怖るべき力を持つ刑務所長〝タイガー〟として君臨していたムトゥは、その時代から従えていた元受刑者たちの助力を得ながら、マフィアたちとの争いに身を投じていく……。
この作品に限らず、ラジニカーント主演の映画は、ある種のお約束的な様式美を楽しむものだと僕は思っている。ラジニ様は、基本的にまったく窮地に陥らず、どんな相手が出てこようが、涼やかな笑みを浮かべながら、あっという間に叩きのめしてしまう。ご高齢ゆえに派手なアクションやダンスは無理なのだろうが、表情と手先足先の動き、そして巧みなカメラワークとカット割りの工夫によって、無敵のラジニ様が画面に現出していく。
しかし、この作品は……最後があれで……異様に後味が悪かった……。うーむ。