「ルックバック」

「ルックバック」は、藤本タツキ先生の原作をWebでの公開直後に全編読んでいたのだけれど、映画もやっぱり気になってしまって、昨日、観に行ってきた。

漫画だけでなく、手を動かしてものをつくり、表現しようとする人すべての心に、深く深く、突き刺さる物語。わかりすぎるほどわかってしまう、あの気持ち。憧憬、興奮、達成、挫折、焦燥、孤独、無力……。どれだけ描き続けたところで、何も変わらないし、誰も救えない。「じゃあ、藤野ちゃんは、なんで描いてるの?」。答えは語られないまま、机に伏せて漫画を描き続ける藤野の背中を映して、物語は終わる。

一人、ただ、つくり続けること。それは、呪いでもあり、祈りでもある。ただ一つ言えるとすれば、つくり続ける道をあきらめて降りてしまった者の手には、何一つ残らない、ということだけだ。それは、僕自身の今の仕事でも、言えることだと思う。

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