ここしばらく、ずっと東京の自宅マンションで仕事をしている。去年の10月末にタイから戻ってきて、年末年始に2泊3日で安曇野に行ったのを除けば、かれこれ3カ月半、ずっとだ。
こういう日々がしばらく続くと、旅に出るのが、億劫になる。自分の身体になじんだ寝床。仕事机、ワークチェア、光回線に繋がっているパソコン。ステレオから流れる好きなラジオ番組。腹が減れば、食べたいものを好きに作れる台所。ちゃんと熱いお湯の出るシャワー。自分なりに快適で、楽で、落ち着ける場所。
でも、そのうち、出発しなければならない時が来る。嫌になるくらい早い時間にセットした目覚ましを止め、ダッフルバッグとカメラザックを担いで、扉を開け、鍵をかける時が。異国の見知らぬ場所で、きょろきょろあたりを見回しながら、右往左往する自分。快適でもなく、楽でもなく、落ち着けるはずもなく。
だけど、そんな時間もまた、僕の人生の一部だ。