バックパッカーとは何か

二十代の頃から、僕はあっちこっちの国をふらふらと旅してきた。そういう話を人にした時、「あ、じゃあヤマタカさんは、バックパッカーなんですね!」と言われたりすると、ちょっともじもじした気分になる。

そもそも僕は、自分はバックパッカーなのだと意識したことがほとんどない。バックパッカーって、何なのだろう? 世の中には、それが何か特別な存在であるかのように定義する人もいる。でも、僕からしてみれば、バックパッカーというのは「荷物をバックパックに詰めて、主に海外を旅している人」というくらいにしか思えない。強いて付け加えるなら、「パッケージツアーを利用せず、主に自分自身の力で手配をして旅している人」くらいだろうか。

バックパッカーになって旅をすること自体は、別に特別でも何でもない。それで誰かを助けたり、何かを生み出したりしているわけではないのだから。旅を通じて得た経験を、誰かのために役立てることができるかどうかは、その後のその人の生き方次第。すっかり無駄にしている人も、もしかしたらいるのかもしれない。僕自身、その経験を今に活かせているかどうか、自信はないけど。

だから僕は、「ヤマタカさんって、バックパッカーなんですね!」と言われたら、否定してしまうわけにもいかないので、「あ、そんな大層なもんじゃないんで、ほんとすみません」と謝ることにしている(苦笑)。

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