昨日の夜、寝床の中でうとうとしていると、突然、電話が鳴りはじめた。
誰だろう? まあ、ほっとけば切れるか‥‥と思ったものの、ベルはいっこうに鳴り止まない。しかたなく起き上がって、暗闇の中を居間まで歩いていき、ランプが発光している子機を手に取って「もしもし?」と言うと‥‥すかさず、ぶちっ、と切れた。番号は、もちろん非通知。時計を見ると、午前四時過ぎ‥‥。
この手の電話、実は、初めてではない。何カ月かに一度、忘れた頃にかかってくる。こんな嫌がらせをされるような恨みを持たれる覚えは‥‥なくはない、か。敵を作りやすい性格だからなあ(苦笑)。
午前四時、電話口の向こうで、息をひそめて電話を切るタイミングを窺っていた誰かのことを思うと、何だか気の毒になってきた。