Tag: Nishi-Ogikubo

ワクチンはまだ遠し

僕の住んでいる杉並区では、僕の年代にあたる40歳から59歳の人を対象にした新型コロナワクチンの接種予約が始まる予定だった。杉並区ではこの年代が一番後回しにされている。区内では40歳以下の年代の感染者がとても多かったからだそうだ。

で、ワクチン接種の予約が取れたかというと、ダメだった。僕だけでなく、ほとんどの人が。国からのワクチン供給量が大幅に減っていて、接種予約を受け付けられるだけの量が確保できなかったからだという。他の自治体でも、あちこちで同じような状況だと聞く。

僕も内心、8月中くらいにはワクチンを2回打ち終えて、9月か10月には実家方面に帰省して回ろうかと思っていたのだが、この調子だと、年末年始の帰省も怪しくなってきた。仮に海外取材の依頼が来たとしても、ワクチンパスポートが取れないから、行くに行けない(まあ、タイもインドも年内は依頼は来ないだろうけど)。

いやはや。なんて間抜けなんだろう、今の日本の政府は。今日の東京の新規感染者数は、1308人。この状況で、来週からオリンピックとかやるつもりらしい。狂ってる。

鍼治療

数日前、鍼治療を受けに行った。春先から五十肩か何かで痛めている右肩が、なかなかすっきり治り切らないので。

訪ねたのは、自宅から100メートルほどのところにある鍼灸院。西荻窪にある鍼灸院(結構たくさんある)の情報を検索していて、治療方法(効能がよくわからない機械とかに頼らず、鍼による施術が中心)が自分の症状に合いそうだったので、そこを予約したのだ。鍼灸院のお世話になるのは、学生の頃以来、かれこれ30年ぶりくらいか。

施術をしてくれたのは、たぶん僕と同い年か少し年下くらいの女性の先生で、気さくに話をしながら、細い鍼を患部の周辺に慎重に打ち込んでくれた。約1時間の施術を終え、立ち上がって、右肩を回してみると、驚くほど軽い。バキバキに凝っていた右肩まわりの筋肉の張りが、すっかりゆるんでいる。肩の前面の筋がひきつる感触は少し残っているが、よほど激しく大きく動かさなければ、ほとんど気にならないレベルにまで違和感が小さくなった。

その日の夜は、自分でもびっくりするくらい、よく眠れた。鍼治療、受けてよかった。

リズムの変化

最近、生活のリズムに少し変化が生じた。きっかけは、相方の転職である。詳細は伏せるが、新しい勤め先の出勤時間と退勤時間、それと通勤の所要時間による変化だ。

朝の起床時間は、以前は7時半頃だったのが、今は8時半頃になった。相方の帰宅後に夕食を食べはじめる時間は、前は19時半頃だったのが、今は20時過ぎ。就寝時間は前と変わらず、0時半くらい。ちょっとの変化なのだが、しばらく続けてみると、結構違うなあ、と感じる。

まず、睡眠時間が以前より1時間ほど伸びたので、朝起きるのがそれほど苦ではなくなったし、寝が足りてるので、週の後半も疲れが溜まりにくくなった。夕食の仕込みを始める時間が18時以降になったのも、地味に大きい。夕方頃は仕事関係のメールが来ることが結構多いので、その対応が少し楽になった。日中の自宅作業も、全体的に前より余裕ができたような気がしている。

まあ、そうは言っても、リモート取材などがばたばたっと入ると、途端にそういうリズムは乱れてしまうのだが。来月は、もちっと、平穏になるかなあ……。

トドメを刺される

最近、やたらめったら、忙しい。三月頃からずっと、余裕のない、せわしない日々が続いている。

原因はシンプルで、六月に出す新刊『インドの奥のヒマラヤへ ラダックを旅した十年間』の編集・校正作業と、例年この時期に繁忙期を迎える大学案件の取材(最近はすべてリモート取材だが)、それと今年から始まった、下北沢の本屋B&Bから業務委託されているトークイベントの企画・コーディネートの仕事(特に四月は自分自身が出演する側でもあった)が、全部集中してしまって、同時進行で進めなければならなかったからだ。

そのうちの一つ、『インドの奥のヒマラヤへ』の作業は、今日の午前中に色校のチェックを終えて、ようやく解脱した。今日は午後からリモート取材の予定が入っていたので、関係者の方々に無理を言って色校チェック作業を午前中に設定してもらい、終えると同時に自宅にトンボ返りして、サンドイッチをかじるのもそこそこに約1時間のリモート取材。昨日一昨日も合計4件の取材をこなしていたこともあって、今日の取材が終わった後は、本当に頭が朦朧とするくらいくたびれ果てていて、ベッドに仰向けになって、少し寝ようかと思っていた、のだが。

ピンポンピンポーン。

「こんにちはー。火災報知器の交換作業をしに伺いましたー」

かくして僕は、よれよれぼろぼろの状態で、スマホ片手に部屋の隅に座ったまま、見知らぬお兄さんたちが天井の火災報知器を交換するのを、3、40分ほども見守るはめになったのだった。

何というか、あまりにも見事なタイミングで、完全にトドメを刺されてしまった……。おつかれ、自分。

ノンアルに思う

四月下旬から東京都で発令されている、緊急事態宣言。今回の宣言下では、飲食店での酒の提供が禁じられた。

吉祥寺にあるなじみのバーは、休業せざるを得なくなった。三鷹や西荻窪の行きつけのお店も、ノンアルのドリンクのみにしたり、いつもと業態を変えたりして、それぞれ頑張っている。そうしたお店に行くと、いつもと同じ愛想のよさで、いつもと同じように心のこもった、おいしい料理を出してくれる。でもさすがに、酒を出せなくなったというのは、相当きついようだ。去年からずっと、時短営業だ何だとあれこれ締め付けられる中で、いろいろ工夫して頑張ってきただろうに。

最近の酒造メーカーの技術力はすごいので、ノンアルコールビールも、味はそんなに悪くなく、それなりに飲める。じゃあ当面は外食もノンアルでしのぐか、と思えるかというと……正直、まったく納得できない。

コロナ禍が始まって、かれこれ一年以上経つ今になって、飲食店に酒の提供を禁じるのは……理論的・戦略的・医学的な根拠に基づく判断というより、行き当たりばったりにあれこれ講じてきた対策では感染拡大を抑えきれなくなったから、とりあえず酒を止めてみるか、という窮余の策でしかないように思う。理論的・戦略的・医学的な根拠に基づいて、広範囲な検査と隔離と補償を徹底してきた台湾やニュージーランドのような国々の今の平穏ぶりとは、あまりにもかけ離れた結果だ。

今の日本のこの惨憺たる結果を招いたのは、間違いなく、政府与党の政治家たちが、無為・無策・無能だからだ。彼らがまっとうに考えて仕事をしていれば、感染拡大はもっと抑えられたし、医療崩壊も起こらなかったし、多くの人が困窮に追い込まれるのも防ぐことができた。酒だって普通に店で飲めた。ライブや演劇にだって普通に行けた。オリンピックなんて、とうの昔に返上していたはずだ。

まっとうな思考のできない政治家が、自らの過ちを省みることも認めることもせず、詭弁を弄して地位と利権にしがみついているうちに、日本は本当に、ぐちゃぐちゃな状態になってしまった。

次の総選挙まで生き残れたら、自分の一票で、自分の意志を示そうと思う。