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そしてまた旅へ

明日からの旅に備えて、荷造りの仕上げ。撮影機材をカメラザックに詰め、携行品リストと突き合わせて最終確認。やっぱり尋常じゃない重さになってしまったが(苦笑)、まあ仕方ない。ラダックに着くまでの辛抱だ。

こうして旅に出る準備をするのも、もう思い出せないくらいの回数になるけども、いつまでたっても慣れないというか、大事なものをうっかり忘れてしまってないか、といつも思ってしまう。まあ、大事な仕事絡みの旅だし、万が一にもミスを犯してはならないから、このくらい心配性でいる方がいいのかもしれない。

次に東京に戻ってくるのは、8月23日。それまでこのブログの更新もお休みします。では。

のしかかる重荷

出発が来週明けに迫ってきたので、旅の荷造りをぼちぼち始める。

今回は7月から8月上旬までラダック、8月中旬から下旬にかけてアラスカという、我ながらよーやるわというレベルの長丁場の旅で、気候もかなり違う。アラスカは8月でも時に雪が積もるほど寒くなるし、目的地には北極圏も含まれるからだ。キャンプ道具は今回不要とはいえ、両方の土地に対応するための装備は、いつも以上に膨れ上がる。

手持ちのバッグの中で一番大きなグレゴリーのスタッシュダッフル95リットルでも、荷物を一通り詰めてみると、ほぼぎっしりになってしまった。今の日本で防寒着は身につけられないので全部バッグに詰めているからというのもあるが、それでもここまで膨れ上がるとは。しかも、異様に重い。担いでみると、今までの旅の荷物でも経験のないレベルの重さだ。これは……。

わかった。本だ。見本誌だ。

ラダックでの取材でお世話になった方々に配るための「ラダック ザンスカール スピティ[増補改訂版]」が、梱包された状態で、12冊。そりゃ重くなるわ(苦笑)。試しに本の包みを取り出してバッグを担ぎ直してみたら、割と普通に担げるレベル。ラダックに着いてこの本たちを配り終えれば、その後は何とかなりそうだ。

……ラダックに着くまでに、腰が抜けなきゃいいけど……なぜなら、このダッフル以外に、望遠レンズの詰まったカメラザックもあるので……(汗)。

「経 Kei」2018年7月号「未来へと託される、匠の技」


ダイヤモンド社の無料月刊PR誌「経 Kei」2018年7月号の連載コーナー「地球の街角へ」に、ラダックのチリン村についてのエッセイ「未来へと託される、匠の技」を寄稿しました。拙著「ラダック ザンスカール スピティ[増補改訂版]」の52〜53ページに掲載している写真の、バックグラウンドストーリーとなる文章です。

経 Kei」2018年7月号は、7月10日頃から全国の主要書店で無料配布されます。全国の主な図書館でも閲覧できます。よかったらご一読いただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

長生きする本を

午前中に打ち合わせを一件こなした後、八丁堀の出版社へ。用事のついでに、印刷所から届いたばかりの「ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]」の見本誌を受け取る。印刷の具合、なかなかいい感じ。今夜はこれから、パタゴニアのロングルートエールとワイルドピンクサーモンで一杯やろうと思う。自分で書いた本の、届きたての見本誌を眺めながら飲む酒ほど、この世で旨い酒はない(笑)。

僕はなぜ、本を作る仕事が好きなのだろう、と以前考えてみたことがある。それはたぶん、きちんと丁寧に作った本は、僕よりもちょっとだけ長生きしてくれるから。僕という人間はどうあがいても、あと2、30年後にはこの世からいなくなる。でもおそらく、僕の作った本たちは、どこかの家の本棚や、図書館の片隅や、あるいは誰かの記憶の中で、僕よりも少しだけ生き延びてくれる。今回作った本も、何十年も経ってしまえばさすがにガイドブックとしての機能は果たせなくなるだろうけど、それでも一冊の本として、長い時を経ても読むに耐えるものを作ったつもりだ。

まあ、そうはいっても本もしょせん印刷された紙の束でしかないから、いつかは朽ちて土に還るだろう。宇宙的なスケールで考えれば、一人の人間がその人生を通じて世界に残せる痕跡なんて、取るに足らない芥子粒みたいなものでしかない。それでもやっぱり、僕は本を作るのが好きだ。自分の作った一冊の本が、誰かの心をほんのちょっと動かしたり、誰かの背中をほんのちょっと押したりすることを、願っている。今までも、これからも。

近づく幕切れ

週末から今日にかけては、ほぼずっと、今作っている本の色校をチェックしていた。印刷会社さんが頑張ってくれたおかげで、現時点でも色の出方は、かなりいい。本紙で刷る時もこの調子で出せれば、初版よりずっとレベルアップした仕上がりになると思う。見本誌を手に取るのが今から楽しみだ。

……と同時に、ちょっと寂しくもある(苦笑)。本を作っている間は、やっぱり、とても楽しいから。自分の頭の中で思い描いているもの、伝えたいこと、それらをあらんかぎりの工夫を凝らして、紙の束の中に封じ込めていく作業。作っている間、自分の手の内には、無限に思えるほどの可能性の選択肢があるような気さえしてくる。

でも、まあ、幕切れは必ずやってくる。本ができあがった時、自分の選択が正しかったか、それとも単なる独りよがりだったか、答えはおのずとわかるはず。これだけ何冊も作ってきていても、いまだに自信は持てないけれど。

まあいいや。幕切れの時間まで、本づくりを精一杯、楽しもう。