こじれた人

夜、板橋にあるインド料理屋で、ラダックガイド本の担当編集さんと会食。

新年会という名目だが、実際のところは、彼と再びタッグを組む予定の、新しい本の企画についての密談。去年の11月末のプレゼン以来、自分なりにブラッシュアップしたコンセプトと構成案を提示して話し合う。お互いいろいろ腑に落ちて、この方向性なら、社内の新刊会議に臨めるのではないかという話になった。

この企画、「旅好きとあることがこじれてどうにかなっちゃった人の本」という一風変わったコンセプトなのだが、それについて話し合っている時、担当編集さんがぼそっと言った。

「‥‥こう言うのも何ですが、ヤマモトさんも、相当こじれてますからね!」

‥‥そう、確かにこじれてますな(苦笑)。

吹雪の東京

昨日の東京は、穏やかな日和だった。

午後、市ヶ谷で関さんのブータン写真展を拝見した後、神保町のさかいやスポーツで、前からずっと欲しかったノースフェイスの薄手のダウンジャケット(中綿は化繊のもの)をセール価格でゲット。夜はリトスタで飲んだのだが、家まで帰る途中、まだ開いてたスーパーで肉や卵を調達して帰った。翌日は雪が降るかもと聞いてたので。

で、今日。東京は雪というか、ほとんど吹雪。ぼた雪が、今もずんずん降っている。朝起きて窓のカーテンを開けて外を見て、ちょっとひいた(苦笑)。昨日のうちに食糧を調達しておいて、ほんとによかった。

今日は全力でひきこもる。

トラベルライターと呼ばれて

去年あたりから、「トラベルライター・写真家」という肩書で人前で紹介される機会が多くなった。

十数年前にフリーランスになった時、僕はIT系の雑誌の編集者をしつつ、広告・デザイン系の雑誌でインタビュー主体のライターもしていた。当時はまさか、今の自分がこんな肩書で呼ばれるようになるなんて、想像もしていなかった。特に自分で肩書や営業先を変えたわけではないけれど、ラダックについて書いた二冊の本で、結果的にそういう風に見られるようになったということなのだろう。

今年の後半には、あるガイドブックの改訂のために必要な海外取材の依頼も受けているのだが、そういう完全な請け負い仕事としてのトラベルライターの業務をさらに増やしていくべきかというのは、正直悩みどころ。もちろん、やってやれなくはない。けど、それは自分にしかできない仕事かと言われると、そうでもない気がする。

行きたい場所に行き、見たいものを見て、撮りたいものを撮り、書きたいことを書く。自分らしい旅をやりきった成果をカタチにするのが、僕がトラベルライターとして力を入れていくべき仕事なのだろう。その橋頭堡にするための企画を自ら作って提案していくことを、粘り強くやっていかなければ、と思う。

断捨離

先日から続いている、生活メンテナンス。今日は夕方にちょっと空いた時間を使って、吉祥寺の無印良品でポリプロピレン製の収納ケースを二個購入。両手に提げて、えっちらおっちら持ち帰る。

しばらく前からぐっちゃぐちゃになっていたクローゼットの中を見直し、アウトドア用や自転車用の服とグッズを買ってきた収納ケースに移すと、見違えるようにすっきり整理できた。「もう、これ絶対着ないだろ」というボロボロの服もひと通り断捨離できたし。やれやれ。

そういえば、断捨離という言葉は、古めかしい響きのような気もするが、実はつい最近出てきた造語で、登録商標にもなっているらしい。別に好んで使おうとも思わないけど。今回の自分の場合は、モノへの執着を捨て去るというより、単にボロボロのものを選り分けて捨てるのが今までメンドクサかっただけだな。

雌伏の時

年が明けてしばらく経つが、去年から続いている作業とは別に、僕個人が発案した企画は、なかなかスタートが切れないでいる。

そもそも、その企画は、決して通しやすい企画ではない。どの出版社に持ち込んでも、十中八九、断られるだろう。企画の良し悪し以前に、そのジャンル自体が売れにくいという宿痾を背負ってしまっている。でも、僕はその本を作りたいのだ。それがこの世界に存在するということに、意味があると思うから。

出版社の編集者の方も、無理筋なのを承知の上で、懸命に動いてくれている。今は、じっと待つしかない。