隙を見つけて

昨日と今日は、ずっと家で仕事。テープ起こしをしては原稿を書く、という作業のくりかえし。しかしまあ、やってもやっても終わらないという(苦笑)。夕方、きりのいいところでいったん止めて、駅前まで出かける。伸び放題だった髪を切りに、いつもの理髪店へ。

「おや、こんな時間に珍しいですね」
「隙を見つけたので‥‥」
「さては、だいぶ追いつめられてますね?」
「はあ、追いつめられてますね‥‥(苦笑)」

そんな会話をしながら、ばっさりカットしてもらう。その後、まほろば珈琲店でコーヒー豆を補充し、ラーメン屋でささっと晩飯を食べ、たかねで道明寺を二つ買う。今日のノルマを終えたら、お茶をいれて一緒にいただこう。

‥‥明日は、春の嵐が襲来するのかな?

一人と、誰かと

「ヤマタカさんは、旅先とかでずーっと一人でも、全然平気なタイプですよね?」

今までに何人かの人から、こういう指摘をされたことがある。そうかもしれない。ホームシックとか単に人恋しいとかいった気分になったことはついぞ記憶にないし、特に旅先では、異国で一人ぼっちでいる状況にこそ、ぞくぞくするような喜びを感じるタイプだ。日本にいる時でも、友達付き合いはたぶんかなり悪い方で、自分から積極的に「飲みに行こうよ!」なんてことはまず言い出さない。

じゃあ、一人でいられればそれで十分なのか、満足なのかと聞かれると、それはちょっと違う、とも思う。普段何も問題がない時は一人でも平気だけど、何か困ったことが持ち上がった時、自分一人ではどうにもならない苦しみに陥った時、へこたれそうな自分を支えてくれるのは、間違いなく周囲にいてくれる大切な人たちだ。今までだって、何度もそうして支えてもらってきた。

「ラダックの風息」の最終章に書いた言葉は、そうした経験から出てきたものだったと思う。

時には、大切にしていた絆が、どうにもならない強い風に引きちぎられてしまうこともある。でもそんな時は、きっとほかの絆が支えてくれる。つなぎ止めてくれる。そして人はまた立ち上がって、前を向くことができる。そう、できるはずなのだ、僕たちにも。

三年前の震災の時も、僕たちはともするとぽきっと折れてしまいそうな心を、一緒に集まってごはんを食べたり、メールやツイートをやりとりしたりして、支え合っていたんじゃないかと思う。自分の周囲にいてくれる大切な人たちのことを忘れないこと。そして、苦しんでいる誰かを支えてあげられる力を少しでも身につけること。あれから三年という節目の日を迎えて、あらためてそう思う。

日射しと風と

日射しはもう十分に暖かいのに、風は「三月だなんて嘘じゃね?」と思うほど冷たい。今日は横浜の方で取材と打ち合わせ。取材はまずまずうまくいって、面白いお話を伺うことができた。

行きは東京駅から京浜東北線に乗ったのだが、帰りは横浜から湘南新宿ラインで。新宿で途中下車して、本屋をぶらつき、ラーメンを食べ、あまり電車が混まないうちに三鷹まで帰る。それにしても風が冷たい。

明日明後日はずっと家にいて仕事ができるので、ちょっとほっとしている。今作っている本でご協力をお願いしている方々とのアポイントもほぼすべて整って、こちらもひと安心。今夜はちょっとだけ深く眠れそうだ。

一つひとつ

昨日のおつとめは、普段の仕事よりもよっぽどダメージが大きかったようで(苦笑)、昨日は夜半前には早々と寝てしまったのに、今朝は十時過ぎまで起き出せなかった。あれを毎日24時間やってる妹と旦那さん、すごいなあ。

いつものようにおひるにラーメンを作り、コーヒーをいれて、仕事開始。まずは木曜日に収録したインタビューの原稿執筆。集中して取り組んだおかげで、夕方にはどうにか形にできた。とはいえ、手元にはまだ未執筆の収録データがたまってるし、終わってない収録もたくさんある。自分自身で執筆しなければならない解説系のページもある。これからやらなければいけない作業の量と、残された時間のことを考えると、正直、途方に暮れてしまう。

でも、この期に及んで無駄に焦っても、何の解決にもならない。毎日々々、その時々にやらなければいけないことを、一つひとつ、コツコツと進めていくしかない。こういう追いつめられた時こそ、腹を括らなければ。

こんな日々の積み重ねが、いつかきっと、実を結ぶ時が来る。

おつとめ

ロボット兵この週末は、妹の一家が遊びに上京してきた。妹と旦那さん、姪っ子(中1)、甥っ子1号(この春から小1)、甥っ子2号(現在約1歳半)という大所帯。昼に飛行機で到着し、スカイツリーに登った後、午後からジブリ美術館に行くというので、吉祥寺で待ち合わせて合流する。

日増しに天然度が増す姪っ子と、東京の街にテンションMAXの甥っ子1号、そして何もわかってないだろうけどテンションだけは同じくMAXの甥っ子2号。予想に違わぬ珍道中と相成った。今日は吉祥寺もすごい人出だったし、ジブリ美術館も同じく満員状態で、油断するとどこに行っちゃうかわからない怪獣たちを引き連れてそうした人混みの中を右往左往するのは、さすがに疲れた。仕方ない、これもおつとめだ。

それにしても助かったのは、晩飯をリトスタで食べられたこと。姪っ子と甥っ子1号は普段はそんなに食べない方で、いつもぐずぐず時間をかけながらごはんを食べているのだが、リトスタではすごい勢いでぱくついてた。僕よりも食ってたんじゃないかと思う(笑)。甥っ子2号に至っては、1歳半にしてレバーペーストをなめまくってたし。

これから先、彼らが今日のことをどれくらい憶えていてくれてるかはわからないけど、ちょっとでも記憶の片隅にひっかかっていてくれたらいいな、と思う。まあでも、どうかな(笑)。