腐海の記憶

ようやく梅雨が明けたと思ったら、いきなり夏が本気でぶん殴ってきたような暑さである。

さっき、駅前の本屋とスーパーに行くために外に出たら、明らかに体温越えの熱風が。気温だけなら、今の時期のデリーやバンコクよりも暑い。コロナ禍がなかったら、今年はこんな酷暑の中でオリンピックのマラソンとかが開催されてたのだ。来年、本気でやるつもりなんだろうか。たぶんそれまでにコロナ禍が収束せずに中止になるだろうけど。

例年のこの時期、僕はたいていインドのラダックあたりにいて、標高3500メートルの涼気の中で過ごしていた。自分自身は快適だったのだが、留守の間に閉め切っていた三鷹のマンションの部屋は、帰国してみるとひどいことになっていた。一言で言うと、腐海、というか……。体温越えの気温と湿気の中で1、2カ月も部屋を閉め切っていると、革製品やら何やら部屋中の至るところに、カビやら何やらわけのわからないものが繁茂するのである(怖)。一昨年から二人暮らしに移行して西荻窪に引っ越して以降は、その恐怖から免れられるようになったのだが。

あの腐海の光景を味わうのは、もう金輪際、御免被りたい。ナウシカのような広い心には、なれそうにない(笑)。

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