ガイドブックなんて

昨夜の飲み会の時のこと。隣の席にいた数人の中年のお客さんが、旅についての話をしているのが聞こえてきた。

「ガイドブックなんて、旅行の前に一応買うけど、結局、役に立たないよね。現地で情報収集するのが一番だよ!」

‥‥まあ、そうなのかもしれないな(苦笑)。確かに旅行の時は、現地でしっかり情報収集するのが一番確実だし、大事だと思う。ガイドブックに頼りすぎると、現地の事情が変わっていた時、思わぬ痛い目に遭う。僕自身、旅をする時はガイドブックにはあまり頼らず、出たとこ勝負で決めるタイプだし。それは否定しない。

ガイドブックというのは、世間ではこんな風に「ガイドブックなんて‥‥」と言われるような類の本なのだろう。読んだ人が「感動しました!」と涙を流すわけでもないし、諸事情により掲載していない情報があれば「載っていないじゃないか!」と叩かれ、時間の経過とともに現地の事情が変わったら「間違ってるじゃないか!」と怒られる。それが、ガイドブックの宿命なのかもしれない。

でも、今回のラダックのガイドブックは、そんなことも全部ひっくるめた上でも「いい本だな」と思ってもらえるように、心血を注いで作ったつもり。現地での取材に協力してくれたたくさんの人たちや、日本で制作をサポートしてくれた大勢の関係者の方々に、恥じない出来にはなっていると思う。

書店で手に取って、ぱらぱらとでもめくってもらえれば、きっと伝わるはず。僕たちの思いが。

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