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ちっぽけな思いから

最初に、自分一人だけで一冊の本を書こう、と思い立った時、心に決めていたのは、自分という人間の存在ができるだけ表に出ないようにしよう、ということだった。

自分の目の前で起こる出来事の一つひとつを丹念に見定めて、文章と写真で、それらをできるだけ忠実に描写する。個人的な感傷や思い入れで邪魔しないように気を配りながら、言葉を選ぶ。自分という人間が何者なのか、読者にはまったく気にされなくて構わない。そう思いながら、本を書き上げた。

そうして完成した本を読んだ僕の知り合いの何人かは、異口同音にこう言った。この本は、まぎれもなく、あなたの本だ。この本には、あなたの思い入れが、これ以上ないほどあふれている、と。そんな感想が返ってくるとは想像もしていなかったので、僕はすっかり面食らってしまった。

世界のとある場所とそこで暮らす人々のことを、徹底的に追いかけて、ただひたすらにそれを伝えようとしていたら、そこに立ち現れたのは、僕という一人のちっぽけな人間の姿だったのだ。

だったら、その逆は、あるのだろうか。

僕という一人の人間の、本当に個人的な、ちっぽけな思いから、遥か彼方への旅を始めたら、その先は、どこにつながっていくのだろうか。この世界の、底の見えない深淵につながっていくのだろうか。何かの理が、目の前に現れたりするのだろうか。

その旅は、もう始まっている。

はかどる日

今日は家で仕事。夕方、近所の歯医者に歯石除去をしてもらいに行ったが、その前後に、大学案件の原稿を結構順調に書き進めることができた。それでいて、夜はちゃんと米を炊いて、白菜と豚バラの酒蒸しを作ったし。我ながらよくがんばったと言える。

こういう、何もかもはかどる日というのもあるんだな、と思いつつ、ちょっといい気になっていたら、急に情報が入ってきて、新しい本に追加するためのデータ作成に急遽突入。結局、今日の仕事が終わったのは、真夜中過ぎだった。

世の中、そういうものである。

「地上」2018年1月号 「極奥物語 第七話」


12月1日(金)発売のJA(農協)グループ刊行の雑誌「地上」2018年1月号のカラーグラフに隔月で掲載されているシリーズ「極奥物語」に、ザンスカールについての写真紀行「苛烈の谷の安息」を寄稿しました。

この雑誌は一般の書店では販売されていませんが、下記のページから申し込めば、単月号を1部から購入できます。必要事項をフォームに記入して申し込むと、雑誌と請求書兼払込用紙が送られてくるとのことです。

「地上」購読申し込み|地上|雑誌|一般社団法人家の光協会

写真は1枚を除いてすべて今年の夏に撮影したもので、文章も書き下ろしです。よかったらぜひご一読ください。

頭痛にバファリン

今朝、目が覚めて、トイレに立とうとしたら、結構な頭痛。特に熱はないし、風邪の症状もないのだが、頭だけがズキズキする。とりあえず、家にあった備蓄のバファリンを2錠飲んで、午前中は横になって過ごす。

昼過ぎに起きてみると、痛みはだいぶひいている。おひるにトーストを食べつつ、もう一回薬を飲んで、様子を見る。どうやら大丈夫そう。午後半ば頃から仕事を再開。

しかしまあ、風邪でもなく、もちろん二日酔いとかでもなく(笑)、いったい何だったんだろう。ここしばらく、新しい本の執筆・編集で根を詰めすぎて、神経が音を上げたか。だとしたら、ほっそい神経だな(苦笑)。

師走の足音

この三日間は、執筆作業に集中。たまに資料探しや食材の買い出しに行ったりはしたものの、ほぼずっと家に引き籠っていた。

ほんの一週間くらい前には、そろそろ先行きが見えてきたかな……と思っていたのだが、甘かった。それから怒涛のように取材予定やら何やらが追加されて、わずかな私用の時間まで取られてしまい、王手、王手の連続状態に。詰んだ。まじで詰んだ。とにかく今は、前倒しできる作業は少しでも早く進めていくしかない。

何度も書いているけれど、フリーランスの仕事というのは、来ない時は全然来ないのに、来る時は信じられないくらい一気に集中する。もうちょっと、なだらかなペースでオファーしてもらえないかなあ……。まあ、師走の足音が近づいてきてる今ならではの現象なんだろうけど。