iPhoneを忘れる

午前中のうちに仕事がかなりはかどったので、昼に少し外出。用事を片付けるため、吉祥寺に行く。三鷹で住んでいた部屋は駅から徒歩15分の場所だったが、今の西荻窪の部屋は駅から歩いて5分もかからない。運動不足を補うべく、今日は吉祥寺まで歩いて行くことにした。

歩きはじめて10分ほど経って、新着メールをチェックしておこうと思ってショルダーバッグの中を探ると、iPhoneがない。折り畳み傘やエコバッグ、スーパーでの買い出しのメモ、読みさしの文庫本は入れておいたのに、iPhoneだけうっかり忘れてきたらしい。一瞬、家まで取りに戻ろうかと考えたが、いや、今日は仕事関係で切羽詰まった連絡が来る可能性は低いし、と思い直し、そのまま歩き続けた。

iPhoneを持たずに外を歩いていると、普段の自分の行動が、いつのまにか、思っていた以上にiPhoneに依存する形になっていることに気付く。空模様が微妙なら天気予報アプリやアメッシュを見るし、道順に迷ったらGoogle Mapを見る。信号待ちとかのほんのわずかな時間でも、新着メールをチェックしたり、FacebookやTwitterをちまちまと辿ったり、何歩歩いたかを万歩計アプリで見たりする。でも今日は、どれも見られない。うっすら不安にはなりつつも、その分、てくてく歩きながら、ゆっくりいろんな考えごとをすることができた。

テクノロジーを活用するのはけっして悪いことではないけれど、日々の暮らしのほんのちょっとした隙間までデジタルのかけらで埋め尽くしてしまうのは、何だかとてもせわしないことのようにも思える。たまには忘れてみるか、iPhoneを。

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