本を読み返す

J.D.サリンジャー、村上春樹訳「フラニーとズーイ」読了。この間の「ナイン・ストーリーズ」同様、野崎孝訳の「フラニーとゾーイー」を読んだのはおっそろしく昔のことだったのだが(今奥付を見たら、昭和63年の28刷だった)、物語の最後にふわあっとこみ上げてきた何とも言えない感情が、当時感じたのとまったく同じだったので、自分でもちょっとびっくりした。

人は人生の中でたくさんの本を読む(まあ、そんなに読まない人もいるだろう)けれど、何度も手に取られ、読み返される本は、たぶんそんなに多くはない。何度も読み返したくなる本には、人の心を惹きつける何かが宿っているのだろうし、何度読み返しても飽きられない耐久力を持っているのだと思う。何十年ぶりに読み返しても、同じ感情を甦らせるような、底力を。

願わくば、そんな本を自分も作れたら、と思う。

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