Overwhelming

昨日は、六本木の国立新美術館で開催中のミュシャ展へ。彼の晩年の連作「スラヴ叙事詩」20点を観る。もう本当に、ぐうの音も出ないほど圧倒的で、素晴らしいとしか言いようがない。一人の画家の、才能と情熱と理想と執念と狂気が、のたうつように大画面から溢れ出ている。頭が軽く痺れてくるほど集中して見続けた後、ブリュードッグのバーでIPAビールを飲みつつ、余韻に浸る。

ああいう圧倒的、Overwhelmingな作品には、確かに人の心をぐわんと揺さぶる力がある。僕が生業にしている文章や写真の世界でも、そういう圧倒的な作品を生み出すことを目指す人たちは大勢いる。自分はどうなんだろう? 圧倒的なものを生み出せるなら、それに越したことはないのかもしれない。でも、自分が伝えようとしていることは、もしかすると……Overwhelmingではない方がうまく伝えられるのかもしれない、とも思う。良い意味での「軽み」のような。何気ないけれど、ふっと心に触れるような。

咲き誇る満開の桜ではなく、この胴吹き桜のように。

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