ワールドカップのグループリーグ初戦で、日本がカメルーンに1-0で勝利。この大会だけでなく、日本サッカー界そのものががけっぷちで踏み止まることができたと言えるほど、貴重な勝利だったと思う。
これまでの準備期間で不振を極めていた日本は、本大会での強敵との戦いを前に、徹底的に現実路線の戦略に切り替えていた。四人のDFと五人のMFでがっちりと守備ブロックを作り、人数をかけてボールを奪う。奪ったボールは本田がいったんキープし、大久保と松井がサイドからアーリークロスを放り込む。そうして作った数少ないチャンスを、日本は幸運にも掴み取ることができた。
相手は強く、自分たちは弱い。それを自覚した上で、ではどうしたら勝ち目があるかということを追求した末の、弱者の戦略。選手たちの必死さ、ひたむきさは痛いほど伝わってきたけれど、これが日本代表のあるべき姿だとは思いたくない。同じアジア勢でも、強敵のギリシャを相手に溌剌としたプレーをしていた韓国と比べるとなおさらだ。日本はもっと強くなれる。もっと組織的で、もっとスピーディーで、もっといいサッカーができる。だから、こんなところで満足してほしくない。
イビチャ・オシムが、日本代表についてこんなコメントをしてくれている。
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今日の試合に限って言えば、本田はデリケートな役割を見事に果たしたし、褒美としてゴールも決めた。しかし、これは彼のキャリアの始まりでしかない。メディアのみなさんも今日のゴールだけで本田をヒーローだと持ち上げないでほしい。もし、明日の新聞の一面がすべて本田ということになれば、日本の未来は危うい。ヒーローは一人ではなく全員だ。もし、本田がゴールしたことでヒーローになったとするならば、トラップ技術が巧みでGKの上にボールを浮かすキックができれば、みんながヒーローになれるということだ。しかし、そうではない。ヒーローは、自分の一生と自分の命を懸けて何かを守る存在のことだ。
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この後は、オランダ、そしてデンマーク。上には上がいることを忘れずに。