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勇気を持って

Twitterではすでにお伝えしていますが、僕は現在、日本に帰国しています。7月27日、イタリアのドロミテを旅行中だった父が脳内出血で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまったからです。

翌日、僕は急遽ラダックを離れてデリーからミラノに飛び、そこから車で四時間ほどのところにあるボルツァーノという町へ。病院で父の遺体と対面した後、その町に残っていた母に付き添って、インスブルックとフランクフルトを経由して関空に飛び、バスで実家のある岡山まで戻りました。約三日間で、地球を四分の三周くらいした感じですね(苦笑)。父の遺体も、まもなく日本に戻ってくる予定です。

父については、いつか、個人ブログの方でゆっくり書こうと思いますが、長い間憧れていたドロミテの美しい山々を眺めながら、父がそれほどひどく苦しまずに旅立つことができたのは、ある意味、彼にとって幸せな結末だったのかもしれない、と今は思っています。それでも、この、胸のあたりをごっそりと抉られたような喪失感は、まだどうにもできないでいるのですが‥‥。

父の死の報せを受け取った日、イタリアへのフライトの手配に奔走しながらも、僕はさすがにがっくりときて、気持がかなり弱くなっていました。でも、ノルブリンカ・ゲストハウスに戻って、ぼそぼそと事の次第を伝えた時、デチェンは僕にこう言いました。

「タカ、あんたは今、勇気を持たなきゃならない。もし勇気をなくしてしまったら、何もかも崩れて、流れていってしまう。だから今、あんたは勇気を持って、お母さんや妹さんを支えてあげなきゃならないんだよ」

その言葉に、僕はどれだけ励まされたことか。今はとにかく、勇気を持って母と妹を支えながら、やるべきことをきちんとやって、父を見送ろう。もし泣きたくなったら、何もかも終わった後で、一人でこっそり泣けばいい、と。

父が今、僕自身に一番望んでいるのは、僕が今年取り組んでいるラダックでの取材を全うして、本という形で世に送り出すことだと思います。葬儀などが終わった後、夏のうちに再びラダックに戻れるかどうかは、インドヴィザの二カ月ルールの影響で未だに不透明な状況なのですが、現在、関係各所の協力を仰ぎながら、どうにかして取材を再開するべく、努力しています。「自分のせいで息子の仕事に迷惑をかけた」だなんて、父に思わせたくないですから。

がんばります。誰よりも、父のために。

4件のコメント

初めまして。いつもブログを読ませて頂いています。
初めてのコメントがこんな時で、でも通り過ぎることなどできなくて。
お父様のご冥福をつつしんでお祈りいたします。
ご両親もご自身も海外にいらっしゃって大変でしたね。
私も昨年自分が海外駐在中に伯母が亡くなりました。
めったに会わない伯母、長らく床についていた後の死でもとても辛かったです。
どうかお父様のためにもまた素敵なご本を作って下さい。
お母様と妹さんももちろんのことですが、ご自身にも優しくしてあげて下さい。

>ameerahさん
コメントありがとうございます。お気遣い、感謝です。僕は僕にできることを、精一杯やっていこうと思っています。

Dear Takale,
I am so sorry to hear about passing away of your beloved and respected father. I share my deepest concern and condolences!! I understand the situation being little critical for you being in Ladakh for your researches and this happens in Italy and then coming back and forth to Japan and Ladakh; all this long travel all of a sudden must have been hard to you and your family but we cant help sometimes. Its something comes certainly for everybody someday and Dechen truely said that you need to be strong at this time.
I am glade that helped you!!
I am sorry again as I was so busy with my so short time in Japan to do many things at once did not give me chance to contact you soon.
I hope to see you in Ladakh soon and look forward to talk to you.
Take care!
Skarma

>Skarma-san O’ Julay. Thanks for your kindness. Me and our family are now no problem. Now I try to get a Indian visa again, so if I can get it, see you in Ladakh.

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