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2009年12月 Archive
ポプラの木
ラダックの風景というと、草木一本も生えないむき出しの岩山と荒野‥‥というイメージを持っている方がほとんどだと思います。でも、レーの街や川沿いの村を訪ねると、意外なくらい緑が豊かな場所があることに気付くはずです。
特に目立つのは、ポプラの木です。ラダック語では、ユラートと呼ばれているのかな? ラダックの人々が家を建てる時の梁や柱の材料にも使われる、貴重な存在です。10メートルほどの高さの木々が青空を背景にしゅっと立ち並ぶ様を眺めていると、心が清々しくなるような気がします。
春になると、ポプラの木は種子を綿毛に載せて、ぷわぷわと空に飛ばします。夏になると、深くて濃い緑色に色づいた葉がゆったりと風にそよぎ、秋になると、その葉はみるみるうちに黄金色に変わり‥‥冬になると、あっけなく散ってしまいます。冬空に、くっきりと食い込むように伸びる白い梢。それもまた、ラダックらしい風景です。
ポプラの木は、ラダックの移りゆく季節を象徴する存在なのかもしれません。
辻信一×スカルマ・ギュルメット トークイベントのお知らせ
- 2009年12月24日 16:09
- お知らせ
先日、NGOジュレーラダックが主催する冬のスタディツアーについてご紹介しましたが、そのスタディツアーに先立って、文化人類学者の辻信一さんとジュレーラダック代表のスカルマ・ギュルメットさんのトークイベントが開催されるそうです。
以下、ご案内です。
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辻信一×スカルマ・ギュルメット トークイベント
&『懐かしい未来』上映会&スタディツアー報告会
■日時
2010年1月9日(土) 12:45開場
第一部13:00?14:50 『懐かしい未来』上映会/スタディツアー報告会
第二部15:00?16:30 辻信一×スカルマ・ギュルメットによるトーク/ヴァンダナ・シヴァさんの農園・冬のラダックのお話
※イベント終了後、希望者のみ個別にスタディツアー説明会も行います。
■場所
環境パートナーシップオフィス(EPO)エポ会議室
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F
東京メトロ表参道駅から徒歩5分
http://www.geic.or.jp/geic/intro/access.html
■参加費
1000円(会員の方は800円)
■定員: 60名(要予約)
■予約方法: TEL:03-3655-1079 FAX:03-3654-9188 またはE-mail:julayladakh@gmail.com
件名を「1/9上映会&報告会予約」とし、1. お名前(フリガナ)、2. 参加人数、3. 連絡先を明記の上、お申込みください。
お祭りカレンダー更新のお知らせ
ロサルタシデレ。今日はラダックのロサル(正月)ですね。あっちでは今頃、みんなどんちゃん騒ぎをしていることでしょう(笑)。
上の写真は、二年前にシャクティでロサルを迎えた朝、空一面を流れていた雲を撮ったものです。まるでゴッホが描いた絵のようにダイナミックな雲で、身を切るような冷たい大気の中、しばし見とれていた記憶があります。あれからもう二年か‥‥。
さて、このブログの右のサイドバーにリンクがある「ラダックのお祭りカレンダー」を更新しておきました。目についたところはこまごまとアップデートしてあるので、ラダックへの旅行計画を立てる時の参考にしてください。例によって、ラマユルやピャンなどのディグンパのゴンパのお祭りは、日程が微妙に変わることがあるのでご注意を。
次の夏は、サニのお祭りに行きたいなあ‥‥。
顔なじみの牛たち
2007年から2008年にかけて、冬のラダックで取材をしていた頃、僕はレーのチャンスパ地区にあるタシ・ギャルツェンさんのお宅にホームステイをさせてもらっていました。
毎朝8時か9時くらいに起きて、台所でストーブに木切れをくべながら、チャパティやツァンパのスープの朝ごはん。それからバケツに3分の1ほど用意してもらったお湯で、ブルブル震えながら頭と身体を洗います。部屋で本を読んだり、写真や取材ノートを整理したりした後、僕は11時頃にカメラザックを担いで家を出て、メインバザールまで20分ほどの道程を歩いていっていました。
すると、ほぼ必ずといっていいほど毎日、この写真の牛たちの行進とすれ違っていたのです。いわば顔なじみ(笑)。
ラダックの人々にとって、乳を出す牛は大切な家畜です。ヒンドゥー教徒のように牛を神聖視しているわけではありませんが、レーのような街の中でも、こんな風に牛が堂々と行進していることはざらです。どの牛も毛並がつやつやしていて、大事にされていることがわかります。
本当に毎日顔を合わせていたので、そのうち僕は、「よっ!」と牛たちに挨拶をするようになりました(笑)。
最初に撮った人
この写真を撮ったのは、2007年5月13日。足かけ一年半に及ぶラダックでの長期取材のため、レーの街に到着したまさにその日のことでした。
それ以前に何度かラダックを訪れていた時も、僕は結構たくさん写真を撮っていたのですが、そのほとんどは、旅行の時にいつも持ち歩いていたGR DIGITALというコンパクトカメラで撮ったもの。取材のために持ち込んだ一眼レフでラダックの人々を撮った経験はなかったので、「こんなでかいレンズを向けたら、みんな萎縮するんじゃないか‥‥」と、ちょっと不安に思っていましたし、それを自分がクリアできるという自信もありませんでした。
ノルブリンカ・ゲストハウスに部屋を取り、ひと休みしてから、僕はカメラバッグを肩に出かけました。メインバザールに出てぶらぶらと通りを歩いていた時、ふと目が合った一人のおばあさん。道端でネックレスやブレスレットなどのチベタン・アクセサリーを売っていた、チベット人のおばあさんだったのですが、僕は何となく、「最初に誰か撮るなら、このおばあさんにしよう」と思ったのです。
とはいえ、その頃はまだナクシャ(写真)という言葉も知らなかったし、英語も通じそうになかったので、僕はカメラを見せながら必死で笑顔を作って、どうにかこうにか、写真を撮らせてもらったのでした。
でも、この一枚を撮らせてもらったことで、自分の中で、ぽん、と見えない枷のようなものが外れたような気がしました。ちゃんと向き合って一生懸命に気持を伝えれば、こんな自然なまなざしの写真を撮らせてもらえる。それからの僕は、調子に乗ってバンバンというわけにはいきませんでしたが、言葉を覚えたりしながら、少しずつ、ラダックの人々と真正面から向き合えるようになっていったと思います。
そういう意味でも、この写真は、僕にとって思い出深い一枚です。
冬のラダック・スタディツアーのお知らせ
- 2009年12月 4日 01:21
- お知らせ
僕もいつもお世話になっているNGOジュレーラダックさんと、スローライフの仕掛人、文化人類学者の辻信一さんが、来年初頭に冬のラダック・スタディツアーを企画されているそうです。
ツアーの詳細及びお問い合わせ先は以下のリンク先にて。
ラダック&インドGNHツアー・2010春
辻信一、スカルマ・ギュルメットと訪ねるスロー・カルチャー・ツアー
2010年2月21日(日)〜3月3日(水)
このツアーでは、冬のラダックのお祭りの中でもかなり風変わりで面白いストク・グル・ツェチュの見学や、村でのホームステイが体験できるそうです。さらに旅の後半では、ヴァンダナ・シヴァさんが創設したデラドゥンのナブダーニャ農場の見学も組まれるなど、盛り沢山の内容になっています。
それにしても‥‥思い切りましたね、冬のラダックツアー。ちゃんと飛行機が飛ぶかどうか、ちょっと心配ですけど‥‥。
いずれにしても、めったにない体験ができるツアーだと思いますので、ご興味のある方はぜひ。
二人のナムギャル
今日からもう12月ですか。早いなあ‥‥。
一年前の今頃は、「ラダックの風息」の原稿を書き終えた後、写真のセレクトで死ぬほど悩んでいた時期でした。載せたい写真はそれこそ何百枚もあるのに、本は240ページしかありません。一度選んだものが気に入らなくて最初から全部やり直したりして、周囲の友人に「‥‥やつれた?」と心配されるくらい、消耗していた記憶があります(苦笑)。
そうなんです。「これはブログには載せずにとっておいて、本に載せよう!」と思っていて、結局載せられなかったり、カラーページには回せなかったりした写真が、まだ山のようにあるのです。最近、そういう写真たちを仕事の合間に見返したりもしているのですが、「このまま埋もれさせておくのももったいないなあ‥‥」と思うようになりました。
2009年はこのブログもかなり放置気味だったので(すみません)、これからは、一、二週間に一度くらいのペースで、そういう埋もれた写真たちを、こんな感じでちょこちょこご紹介していこうかな、と思っています。まあ、次の夏に再びラダックに行くまでのウォーミングアップということで(笑)。
上の写真は、本の中でもモノクロページに載せた写真です。左の男の子が、文中にも登場したホームステイ先の一家のスタンジン・ナムギャル。右の男の子は従兄弟のリグジン・ナムギャル。どっちもナムギャルという名前です。リグジンの帽子にも名前が入ってますね。カッコイイ(笑)。
ナムギャルというのは、かつてラダックを統治していたナムギャル王朝の王族が代々受け継いでいた名前でもあります。中でも一番有名なのがセンゲ・ナムギャルという王様なのですが、それにちなんで、スタンジンはよく「センゲ、センゲ」という愛称で呼ばれていました。
元気かなあ、あの子たち‥‥。
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