ルプシュの旅(3):シブク〜ツォ・カル

トレッキング3日目は、シブクというキャンピングサイトで幕営しました。翌朝、谷沿いの道を下っていくと、やがて行く手にうっすらとした水色の帯が。いよいよツォ・カルに近づいてきました。

ふと振り返ると、空と大地との間の距離が、も、ものすごく近い! ここは標高4500メートルの高地なのだということを、しみじみ実感します。

この日の幕営地は、ツォ・カルの南西の岸辺にあるリユルという小さなキャンピングサイト。目の前にはしっとりとした美しい湿原が広がり、その向こうにはツォ・カルの淡い色の湖水が見えます。丸一日、この風景をぼんやり眺めながら、本でも読んでいたい。そんな気分になりました。

湖の岸辺には、ツォ・カル(白の湖)の名の由来となった塩の塊が噴き出しています。湿原の向こう側から見たのとは対照的な、荒々しい光景です。あたりはものすごい塩気で、カメラが一発でサビちゃうのではないかと思ったくらい。

夏になると、ツォ・カルには多数の渡り鳥が飛来してきます。これは‥‥カモの仲間かな? 望遠レンズを持っているとはいえ、これだけ近づいて撮るのはかなり大変でした。脅かさないように、そーっと、そーっと‥‥。

ツォ・カルの湿原には、思いがけないほどたくさんの種類の花が咲いていました。この苛酷な土地の儚い夏に、小さな花がいじらしく咲いているのを見ていると、なんだかじんとしてしまいます。

気持のいい草の上で、ロボ、お昼寝中。そういえばお前、さっきここに来る途中、草むらの陰でなんかもぐもぐやってたな? い、いったい何を食べたんだ‥‥。

夜の7時半になろうかという頃、ツォ・カルに遅い夕暮れが訪れました。対岸の山が一瞬燃えるように赤くなり、闇の中に沈んでいきました。

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