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旅人たち

ラダックで冬に予定していた取材を終え、飛行機でデリーに飛んだ日のことです。

去年の秋、ラダックで知り合った友人のえみさんが僕とほぼ同じタイミングで帰国するということで、その日の夕刻にパハールガンジで落ち合って、最近日本人旅行者の間で人気のオクラ丼を食べに行きました。いや〜、まじでうまかった。

3カ月ぶりにたっぷりと野菜を食べて、フゥ〜ッと満足していると、近くの席に坐っていた日本人の男女が近づいてきて、

「もしかして‥‥山本さん?」「‥‥あぁ!」

僕が2002年の年末年始にモロッコに行った時、フェズからマラケシュまで道連れとなって一緒に旅した、ひとしさんとゆみさんのご夫婦でした。6年ぶりに、しかもインドで再会するとは‥‥。さらに驚いたことに、ひとしさんとゆみさんは、えみさんとも2年前にネパールで会っていたのです。ものすごい確率の遭遇でした。

モロッコで会った時、彼らは新婚旅行で世界一周の旅をしている最中でした。「また旅に出たんですか?」と聞くと、「いえ、あれからずっと続いてるんです‥‥」との返事。長っ! 間違いなく、世界最長の新婚旅行。モロッコでゆみさんは「ドラクエ8が出たら日本に帰ろうかな」とか言ってたけど、もうすぐ9が出ますよ‥‥(笑)。

1時間後にはデリーを離れなければならないという彼らと別れた後、えみさんは僕に「あの二人、すごくいい感じですよね〜!」と言いました。まったく同感。長い旅を続けていると、とかく疲れて無気力になってしまいがちなのですが、彼らには、少しも擦り切れている様子がありませんでした。120カ国以上を回っている経験を少しもひけらかすことなく、自然体で、のびのびと旅を楽しんでいる。モロッコで知り合った時よりも、さらにカッコイイ旅人になっていました。

振り返ってみると、去年から今年にかけてラダックで知り合った日本の旅人たちは、みんなカッコよかったなあと思います。忙しい仕事の合間を縫って旅している人、仕事を辞めて長い旅をしている人、バイトで金を貯めて旅している学生さん‥‥。それぞれがさまざまな思いを抱えながら、みんな、言葉も文化も価値観も何もかも違う異国の世界に、決して壁を作ることなく、自らの身を浸して任せることを心から楽しんでいました。ほかの国の旅行者と比べても、日本人にはそういう旅人が多かったと思います。

いつかまた、世界のどこかで、そんな彼らと再会することがあるかもしれない。僕もその時までに、擦り切れることなく自然体で旅を楽しめる人間になれたら、と思いました。

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