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時計

ラマゾギの取材でバスゴに滞在していたある日の夜、突然、時計がおかしくなりました。

僕の時計はソーラー電池で動くカシオのGショックなのですが、急にパワーダウンして、時刻がリセットされて「2000年1月1日12時」になってしまったのです。翌朝にはパワーが復活して動くようにはなったものの、さて、今はいったい何時なんだろう?

空が明るくなってしばらく経ってから、泊めていただいていた民家の居間に行って、壁に掛かった時計を見ると‥‥だめだ、電池切れで停止したまま。台所に行ってこの家のご主人に「今、何時頃ですかね?」と聞いてみても、「さあ、8時か8時半くらいかなあ」と何ともアバウトな返事。

どうすれば正しい時刻がわかるんだろう‥‥と思案しているうちに、急にバカらしくなりました。

この村で、時計を気にして行動しなけりゃならないことなんて、一つもないじゃないか!

夜が明けたら起きて、生きていくために必要なことをこなし、日が暮れたら台所に集まってストーブを囲み、晩飯を食べて眠くなったら眠る。それで十分じゃないか、と。

フリーライターという仕事柄、今までの僕は、常に時計を気にしながら日々を過ごしてきたような気がします。朝起きる時間、電車に乗る時間、待ち合わせの時間‥‥。取材を終えて東京に帰れば、否応なく時計に縛られる日々が戻ってくるけれど、せめてラダックにいる間は、時計のことはすっぱり忘れて、ゆったり流れるままに暮らしていこう。あやふやな時刻表示の腕時計を眺めながら、そんなことを考えました。

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