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シェイ シュゥブラ

8月22日と23日、上ラダック(トゥ)のシェイでシュゥブラ(収穫祭)が開催されました。シュゥブラはラダックのほかの村でも行われていますが、シェイのシュゥブラはちょっと変わっていて、ラバ(シャーマン)がドルジェ・チェンモという語法尊を自身に憑依させる儀式を行い、トランス状態となってさまざまな神託を告げるのが特徴です。

初日はラバが祈祷を行ったところ、「ドルジェ・チェンモは今日は来ない。明日来る」との神託が。その日の午後、トゥバ・ゴンパ前の広場では、写真のように素朴な衣装を纏った村人たちによる舞いが披露されました。

村人たちによる舞いの途中には、こんなものが登場。どう見ても獅子舞‥‥。「あれは何?」と聞くと「センゲ」と言う答えが帰ってきたので、当たらずとも遠からずだと思います。

二日目の朝は、初日の倍以上の村人たちがトゥバ・ゴンパの前に集まりました。ゴンパの中で祈祷を続けるラバの身にドルジェ・チェンモが降臨することを願って、人々が祈りを捧げます。

どうやら、本当にドルジェ・チェンモが降りてきたようです。村人から手渡されたチャンを飲み、周囲に撒き散らしながら何事かを叫んでいます。

ついにラバがゴンパの外に出てきました。周囲に群がる村人たちがチャンやラム酒やジュースのびんを手渡すと、ラバはそれらを次から次へとぐい飲みしていきます。致死量を超えてるのでは‥‥と心配になったのですが、よく見ると、酒は口に含んだだけで、本当に飲んではいないようでした。

ラバが用意された白馬にまたがると、シェイ・ゴンパに向かって村の中を練り歩く行進が始まりました。盛装した女性たちを先頭に、大勢の村人たちがそれに従います。

当初、僕は「馬に乗ってぽっくりぽっくり、のんびりした行進になるんだろうな」と思っていたのですが、これが予想外に速い。小走りでなければ追いつけないくらい。写真を撮りながらだと、追いつくためには全力疾走です。こんなに疲れる祭りだとは思わなかった(笑)。

行進の途中、行く先々でラバは立ち止まり、神託と思しき何事かを周囲に語り続けていました。ちなみに今年の神託で一番話題になったのは「ドルジェ・チェンモは今後2年間は現れない」というものだったとか。ということは、来年のシュゥブラは中止なんでしょうか‥‥よくわかりません。

村外れの小さなラカンの前で駆け回るラバ。右手にはツァンパで出来ているように見える細長い円錐形の物体を持っていて、それらを四方に投げていました。

シェイのシュゥブラは、これまで見たラダックの祭りの中でも一、二を争うユニークでエキサイティングな祭りでした。決して観光客向けではなく、シェイの村人が自分たちのために行っている祭りだったというのも好感が持てましたね。問題は、ドルジェ・チェンモが毎年必ず降りてくるとは限らないということですが(笑)。

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